Googleが、「Android」携帯端末向けGPSプログラム「My Tracks」のソースコードを公開した。My Tracksは、ユーザーが自分の移動経路を記録し、データを「Google Docs」に保存したり、移動経路をオンラインの地図に表示したりできるプログラムだ。
「今後、他の開発者たちが行ってくれる貢献によって、My Tracksがこれまで以上に優れたものになることを期待している。さらには、My Tracksと連携するアプリケーションも数多く作成されるだろう。例えば、フィットネス活動の記録や、ジオキャッシング(GPSを利用した宝探しゲーム)、航空関連などのアプリケーションを手軽に作成することが可能だ」と、GoogleエンジニアのRodrigo Damazio氏は、米国時間5月20日付けのメーリングリストへの投稿で述べている。
またオープンソース化により、愛好者が翻訳作業を手助けしたり、プログラマーが派生アプリケーションを作成して、課金したければ課金するといったことも可能だと、Damazio氏は語っている。My Tracksは、Googleが好んで採用するオープンソースライセンス「Apache License 2.0」の下で管理される。
My Tracksは、ユーザーの地図上での位置を追跡し、移動速度、平均速度、移動高度、移動距離など、さまざまな詳細データを記録する。また、移動経路を「Google Maps」に公開または非公開で表示したり、各移動経路の統計データをGoogle Docsのスプレッドシートに取り込んだりすることもできる。
My Tracksがオープンソース化したことで、誰もがその基盤となるソースコードを参照、変更、配布できるようになった。Google自身、オペレーティングシステム(OS)の「Linux」、データベースの「MySQL」、ブラウザエンジンの「WebKit」など、Google以外が開発したオープンソースソフトウェアを数多く使用している。
その一方で、Googleも自社ソフトウェアの一部をオープンソースとして公開している。例えば、OSのAndroid、ウェブブラウザの「Chrome」、ブラウザベースOSの「Chrome OS」などだ。また、「Google I/O」カンファレンスで20日に発表した新プロジェクト「Google TV」のソフトウェアも、2011年夏にオープンソース化する計画だ。
さらにGoogle I/Oカンファレンスにおいて、Googleはウェブページ用フォント18種をオープンソース化した。また、ロイヤリティフリーでオープンソースのウェブ動画フォーマット「WebM」も公開している。技術や法律面でクリアすべき障壁を考えた場合、これはフォントの公開以上に意義のあることだ。
オープンソースソフトウェアを公開すれば、その企業の資産価値が下がり、ライセンスを他社に有償提供することが困難になるうえ、潜在的な競争相手にソフトウェアを使用される可能性がある。だが、オープンソース化には戦略的なメリットもある。例えば、関心のある市場をオープンソースプロジェクトによって大きく進歩させたり、あるいは競争相手のプロプライエタリなソフトウェアを弱体化させることも可能だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス