YouTubeと「新進クリエーター層」の誕生--変化するオンライン動画ビジネス - (page 2)

文:Kevin Yen(Special to CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年05月20日 07時30分

ニューメディアの新進クリエーター層とは

 広告の進化と成長に後押しされて、ニューメディアの新進クリエーター層は、ブランド名こそメインストリームの世界ではほとんど知られていないものの、毎週のように多くの視聴者を集めている。そのために、本来視聴率が高くなりやすい夜の時間帯に大手テレビネットワークの大人気番組の存在感が霞んでしまうことも少なくない。そのようなクリエーター層は、ちょうど1970年代中盤から終盤にかけてのケーブルテレビブランド(ShowtimeやHBOなど)のように、ゆっくりではあるが着実に成功を収め、動画市場で非常に大きな存在となった。そして、今後数年間オンライン動画市場を(もしかするとオフライン動画市場も)支配する位置を占めている。

 その中にはMachinimaNext New NetworksDemand Mediaなどの名前がある。合計すると膨大な数のオンライン動画ビューを獲得している。そしてその多くが、創業間もないビジネスを、利益を生み出すオンラインブランドとして成功させた。

 例えばShane Dawson氏は、最近のYouTube動画数本の合計で月間3500万を超えるビューを獲得している。その数値は、テレビ番組「アメリカン・アイドル」の決勝戦で通常達成される視聴者数を上回っている。またYouTubeユーザーPhil DeFranco氏が同サイトで開設しているチャンネルは、Fast Companyの最近の記事にあるように「1日の視聴者数が『Larry King Live』や『The O'Reilly Factor』を上回った」という。ビュー数が多いと広告主が関心を持ち、広告主から利益がもたらされる。DeFranco氏は前述のFast Companyの記事で、「YouTubeユーザーの中には、2010年に数億ドルの売り上げを得る者もいるだろう」と述べている。

 インディーズ系ミュージシャンも同様に、オンライン動画による新しい利益の機会を活用して、ファンと直接つながりを持つことでビジネスを構築しようとしている。1つだけ例を挙げるとすれば、YouTubeの「Musician's Wanted」キャンペーンがある。YouTubeのPartner Programの発展系であるこのキャンペーンでは、インディーズ系のミュージシャン、バンド、レーベルが自分たちで作成しYouTubeにアップロードして公開したオリジナル音楽動画に、広告を表示させて利益を得ることができる。

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