UPDATE Microsoftは米国時間5月17日、複雑さを増す科学的問題を解決するために欠かせないとして、テクニカルコンピューティングをさらに推進する取り組みを開始した。
「世界で起きた最近のいくつかのできごとによって、膨大な量の情報や変数に対する処理能力の不足が明らかになった。そうした能力があれば、世界の金融市場の動向や、アイスランドの火山噴火の発生と影響をより正確に予測するのに役立っていただろう」と、Microsoftでサーバー&ツールビジネス担当プレジデントを務めるBob Muglia氏は、Microsoftサイトに掲載した声明で述べている。
Microsoftによれば、テクニカルコンピューティングにおける数多くの重要な問題に、新チームを組織して重点的に取り組むという。たとえば、ハイエンドコンピューティングをクラウドに移行する、パラレルコードを書きやすくする、多くのデータを利用するモデリングに必要な新しいツールやソフトウェアを開発するといった取り組みだ。
世界にある諸問題の解決に取り組むのはもちろんだが、新チームには、MicrosoftのクラウドOS「Windows Azure」のための新たな市場を作り出そうという狙いもある。
「われわれは、テクニカルコンピューティングがクラウドにとってのキラーアプリケーションになると実際に考えている」と、MicrosoftのゼネラルマネージャーBill Hilf氏は電話インタビューで語った。また、必要なハイエンドコンピュータについて、「演算能力を大量に使い、膨大な量のデータを必要とする」と述べた。
この取り組みは18カ月前から静かに進められており、およそ500人の専任スタッフに加え、Microsoftの他製品部門からの数百人以上のスタッフで構成されるチームが作られる。チームは、MicrosoftのゼネラルマネージャーであるHilf氏とKyril Faenov氏が共同で率い、この新しい取り組みのほか、高性能コンピューティング向けバージョンのWindowsを担当する予定となっている。
Microsoftはこの数年、現在では「Windows HPC Server」の名で知られるクラスタコンピューティング向けバージョンの「Windows Server」を開発してきた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス