ロサンゼルス発--Microsoftはクラウドの世界への招待を差し伸べている。
これこそが当地で開催中のProfessional Developer Conference(PDC)において、同社チーフソフトウェアアーキテクトのRay Ozzie氏が米国時間11月17日にオープニング基調講演で発したメッセージである。
Ozzie氏は、Microsoftのデータセンター内のサーバ上で動作するプログラムを開発者らが作成可能となるクラウドベースのOS「Windows Azure」の正式ローンチに関する計画を発表した。Windows Azureは、テクノロジプレビューの提供が2009年末まで続けられ、米国時間2010年1月1日に正式サービスへと切り替わる予定である。Microsoftは1月中に課金システムのチェックおよびテストを完了し、2月の利用分から課金が開始されることになる。
Ozzie氏は、1月からはWindows Azureが各地域において1組のデータセンターでホストされる体制が整うことを明らかにした。米国内において、Windows Azureはシカゴおよびテキサス州サンアントニオの施設で稼動予定である。欧州ではダブリンおよびアムステルダムに、アジアではシンガポールおよび香港に開設される方針を、Microsoftは打ち出している。
Ozzie氏は、すでにWindows Azureの少数の顧客が17日よりサービス利用を開始し、その中には「WordPress」のメーカーであるAutomatticも含まれていることを明らかにしている。
Microsoftは他にも、Windows Azureの顧客がさまざまな商用および一般公開データへとアクセス可能となる、「Dallas」という開発コード名の新たなデータサービスのテクノロジプレビューを発表した。初期のパートナーとしては、米航空宇宙局(NASA)、Associated Press、InfoUSAが挙げられている。
また、Microsoftは、都市の名前から取られた開発コード名で、もう1つの発表をした。「Sydney」は、企業が自社サーバとWindows Azureのクラウド間でデータ交換をするためのセキュリティメカニズムである。2010年よりテスト段階に入るSydneyは、ローカルアプリケーションとクラウドアプリケーションの連携を進めるものとなる。Sydneyにより、アプリケーションの大半をMicrosoftのデータセンター内で稼動させていきたいものの、特定の機密性が高い部分に関しては自社サーバ上で稼動させることを望む企業がサポートされる。
さらに、Microsoftは、「AppFabric」と呼ばれるWindows Server向けアプリケーションサーバのベータ版を発表した。同システムは、Windows Azure向けにも2010年にベータ提供が開始される。AppFabricでは、これまで「Dublin」および「Velocity」の開発コード名が付されていた、ホスティングとキャッシングテクノロジが統合される。Microsoftは、2010年にWindows Serverの仮想マシンのサポートも提供する予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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