Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間3月29日、ハイボリューム市場向けの8コアおよび12コアのx86プロセッサを含む、サーバ用プロセッサの新たな製品シリーズを発表した。
「AMD Opteron 6000 Series」というこのプラットフォームは、Intelが新サーバ用プロセッサ「Intel Xeon Processor 5600」シリーズを発表してから約2週間後の発表となった。一方のIntelは、3月30日に記者会見を開き、サーバ向け製品についてさらなる新情報を明らかにする予定だ。
AMDのプラットフォームを搭載したサーバは、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Acer、Cray、およびSilicon Graphics International(SGI)から発売予定で、それら新システムについては今後、各パートナー企業から発表が行われる。Acerはまずアジア市場にサーバを投入し、その後、2010年中に米国でも発売する計画だ。
また、HPで業界標準サーバの製品マーケティング担当グループマネージャーを務めるDave Peterson氏によれば、HPでは3種類のAMD搭載システムを発売する予定だという。一方、Intelの最新Xeon搭載システムは16種類を予定している。AMD搭載サーバとIntel搭載サーバは、いずれもシングルコア環境からの移行によるROI(投資対効果)の向上をうたっている。そこで、顧客企業はこの2つをどのように比較検討すればいいのかと尋ねたところ、導入を検討している顧客は、自社のデータセンターラボで両方のプロセッサを実際に比較してみるべきだとPeterson氏は述べた。
Opteron 6000において、AMDは価値の高さをアピールしている。同プラットフォームは、いわゆる2Pおよび4Pサーバ市場をターゲットに、ワークロードに見合ったパフォーマンス、効率、および消費電力の削減を提供するというのが同社の主張だ。
AMDのサーバおよびワークステーション部門で製品マーケティングディレクターを務めるJohn Fruehe氏は、Opteron 6000の狙いについて、より高いパフォーマンスと拡張性を求める顧客だけでなく、優れた電力消費効率と低コストを求める顧客にもアピールするプロセッサを提供することだと述べている。ただし、Intel製品と比較できる具体的なROIの数値はまだ用意しておらず、近日中に公開する予定だという。
最新のOpteronは、旧世代の6コアプロセッサに比べてパフォーマンスが最大2倍となり、メモリ帯域幅とDIMM容量も拡大している。さらに、AMDの次世代プロセッサコア「Bulldozer」(開発コード名)とも互換性を持つ。
加えてAMDは、そのコア数とメモリに比した価格の安さをアピールし、価値を重視する顧客を引きつけようとしている。以下は、AMDのプレゼンテーションで使われた主なスライド画像だ。
これらを見て分かるように、AMDはパフォーマンス競争に加わろうとはしていない。パフォーマンスでは、3GHzを超えるIntelのXeon 5600シリーズに勝てないからだ。代わりにAMDは価格をアピールし、十分なパフォーマンスの実現に見合った価値を提供すると主張している。価格の詳細は以下のとおりだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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