P.A. Semiの創業者兼最高経営責任者(CEO)で、AppleによるP.A. Semi買収に伴いAppleに加わったDan Dobberpuhl氏は、チップ関連の新興企業で働くため、同社を離れたようだ。
Appleは2008年4月、P.A. Semiを2億7800万ドルで買収した。AppleのCEOであるSteve Jobs氏は当時、P.A. Semiの買収を、「iPhone」や「iPod」のシステムオンチップ(SoC)を開発するためと述べていた。Dobberpuhl氏は買収後、このグループを統括していた。
Dobberpuhl氏の在籍について、Appleに問い合わせたが、回答は得られなかった。複数の情報筋によると、Dobberpuhl氏の退職は最近ではなく、2009年秋か、あるいはもっと以前だった可能性もあるという。情報筋の見解では、Dobberpuhl氏はP.A. Semiの元プリンシパルであるAmarjit Gill氏がシリコンバレーで創業した新興企業Agniluxに加わったとされている。
Dobberpuhl氏だけではなく、P.A. Semiの中心的なメンバーの1人であるMark Hayter氏を含む、複数のP.A. Semi主要チームメンバーもAppleを去っている。
Linley Groupの社長兼主席アナリストであるLinley Gwennap氏によれば、Dobberpuhl氏はP.A. Semiで大きな統率力を持っていたという。
「Dobberpuhl氏はP.A. SemiのCEOであり、チームリーダーだった。そして、全体を牽引していた人物の1人だった」とGwennap氏は述べた。しかし、「彼らは新興企業で力を発揮するタイプだ。Appleの組織構造の中で、ストレスを感じていたのかもしれない」(Gwennap氏)
Appleが雇い入れたP.A. Semiチームが、「iPad」に搭載される「A4」チップの設計に寄与したかどうかは明らかではない。Appleは同チップについて、「カスタムデザイン高性能、省電力SoC(System on a Chip)」と説明している。
Northeast SecuritiesのアナリストであるAshok Kumar氏は、他のアナリストと同様、iPadのA4チップ内部の中央演算処理装置(CPU)は、英国に拠点を置くARMの設計をベースにしていると考えている。ARMは、QUALCOMMやTexas Instruments(TI)、NVIDIAといった複数の大手チップサプライヤーに知的財産権(IP)をライセンス供与している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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