Microsoftは、ブラウザ選択画面に最新の調整を施して、主なプログラミング上の問題を修正したようである。
欧州規制当局による独占禁止法違反に関する懸念を受けて、Microsoftは最近になって、欧州のユーザー向けにインストールするブラウザの選択肢を提示するブラウザ選択画面を公開していた。しかしながら、同社は、各ブラウザのアイコンやリンクが表示される順番を十分にランダム化しないという問題のあるコードを使用していることで、非難にさらされた。
同選択画面が表示される度に、左から右へと並ぶ各ブラウザの順番が変化するアルゴリズムが用いられるはずだった。確かに表示順は変化したのだが、明らかに十分にランダム化されているとは言えなかった。問題のコードでは、しばしばInternet Explorer(IE)に対抗するブラウザがリストの最初に表示され、IEを最も右に表示する順番が頻繁に選択された。
だが、同プログラミングの問題を指摘するパブリックコメントが寄せられたため、Microsoftは不具合を修正した。Microsoftの広報担当者Kevin Kutz氏は、今週に入って出された声明の中で「欧州向けのブラウザ選択画面において、ランダムにブラウザのアイコンが表示されるアルゴリズムに変更を加えたことを認める。この新たなアルゴリズムへの変更が改善につながると確信している。いつもながら、開発者から寄せられるフィードバックには感謝しており、本件や変更の提案に関するコメントにも感謝を表明する」と述べた。
今回のプログラミングの問題は、最初に「DSL.sk」と呼ばれるスロバキアの技術系サイトによって、2月の最終週に指摘された。IBMのソフトウェアアーキテクトであるRob Weir氏は、この問題を同氏のブログの中で取り上げ、詳細についての議論を展開した。Weir氏は、ずさんなアルゴリズムを問題として指摘するとともに、Microsoftが気付く前に問題が公になったことへの驚きも示した。
週末にかけて、同氏はブログを更新しており、最初の指摘以来、Microsoftがアルゴリズムを修正したことが確認でき、現在はブラウザ選択画面で表示順の適正なランダム化がなされていると記した。
2007年にOpera Softwareから正式に不服が申し立てられた後、欧州連合(EU)は調査に着手し、「Windows」にIEをバンドルすることはEU域内の独占禁止法に違反するとの見方を明らかにした。最初は欧州において、いかなるブラウザも搭載しない新バージョンのWindowsをリリースする計画だったが、結局のところMicrosoftは、規制当局の懸念を払拭するための妥協策として、ブラウザ選択画面を導入することになった。同画面提供での最初の試みは、あまりにも複雑であり、依然としてIEに優位性を与えるものであるとの、対抗するブラウザメーカーからの批判にさらされた。とはいえ、次なる試みではEUからの最終的な合意が得られ、現在のMicrosoftのブラウザ選択画面の提供開始へと至っている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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