Microsoftは米国時間2月19日、同社が法律で義務付けられたブラウザ選択プロセスの公開テストを開始するのに伴い、欧州の一部ユーザーは2010年2月第4週からブラウザを選択できるようになると発表した。
Microsoftと欧州委員会との長い交渉の末に導入されたブラウザ選択画面は、今なおMicrosoftの社内でテスト中だが、2月第4週から初めての公開テストを欧州の一部地域で開始し、3月1日ごろに対象地域を拡大する予定だ。
公開テストが始まると、既定のブラウザとして「Internet Explorer」(IE)を使用しているユーザーは、「Windows Update」を通じて任意でブラウザ選択機能をダウンロードできるようになる。このアップデートは、ブラウザ選択画面自体を表示する前に、ブラウザの選択に関する情報の画面を表示するもので、2月第4週から提供される予定だ。
ユーザーに提示されるブラウザは、「Chrome」「Firefox」「Opera」「Safari」などだ。StatCounterの最新の統計によれば、現在のところIEは欧州のブラウザ市場で45.5%のシェアを占めており、2位以下には39.2%のFirefox、6.3%のChrome、4.3%のOpera、3.7%のSafariが続くという。
Microsoftの法律副顧問であるDave Heiner氏は、ブログへの投稿にこう書いた。「ブラウザ選択画面は(中略)主要なブラウザの一覧をユーザーに提示する。欧州委員会との合意に従い、このリストはランダムな並び順で提示される」
「ユーザーはまた、右にスクロールして追加のブラウザも確認できるが、それもランダムな並び順で提示される。リストに含まれるブラウザとそれらに関連するコンテンツは、適宜アップデートされる予定だ」(Heiner氏)
ブラウザ選択のアップデートはまた、「Windows 7」のタスクバーからIEを自動的に外す、とHeiner氏は述べた。
欧州委員会は2009年1月、Microsoftに対し、「Windows」にIEをバンドルする行為は欧州連合(EU)の独占禁止法に違反すると通告した。Microsoftはその後、ブラウザを一切搭載しないWindows 7を出荷することを提案したが、欧州委員会はその解決策に引き続き不満を示した。
これを受けてMicrosoftは、競合する各種ブラウザをIEと一緒に提供するブラウザ選択画面を提案した。欧州委員会は、独占禁止法に抵触する懸念が払拭できたとして、その提案を受け入れた。
欧州委員会とMicrosoftとの取り決めにより、ブラウザ選択画面は「Windows XP」「Windows Vista」およびWindows 7を使用している欧州のユーザーに、Windows Updateを通じて5年間提供される。この取り決めではまた、PCメーカーがIEを外して競合ブラウザを既定のブラウザに設定することも許可している。
Microsoftの広報担当者は2月19日、ZDNet UKに対し、同社は2月第4週のどの日からアップデートを提供開始するかをまだ決めていないと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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