「ソニーは、自社の技術革新がやがて軌道に乗り、主流となることを願って、その技術革新で大きな賭けをする。大まかな印象では、ソニーが以前、特に1990年代から2000年代初頭に製品をリリースしたときには、製品は大いに成功する可能性があったが、大体において、いくつかの主要機能が欠けており、また大体において、ほかのソニー製品だけと組み合わせた環境でよりうまくいくようなものだった」(McManus氏)
この言葉は、一部の製品が不完全なものであり、ほかのソニー製品と組み合わせて機能するように作られていたことを、うまく言い表している。そのような製品の最近の例は多い。PSPでしかプレイできないUMD形式のゲームや映画がそうであり、WALKMANとSony Ericsson製携帯電話に「Memory Stick」を採用したこともそうだ。そしてより最近のものとして、「Roku」や「Apple TV」のソニー版である「BRAVIA Internet Video Link」は、お察しのとおり、ソニーの「BRAVIA」でしか動作しない。
このような近年の失策の結果、「熱烈な悲観主義」とでもいうべきファンのグループが生まれた。ゲームブログKotakuにおける「Agreeable_Panda」と名乗るユーザーのコメントが、次のようにまとめている。「まじめな話として、わたしはソニーのことが大好きだが、しかしそれと同時に大嫌いだ。ソニーは非常に多くのことがとても上手で、非常に多くのことがとても下手だ。ソニーは巨大なパラドックスだ」
ソニーがもはや良いアイデアを持っていないというわけではないし、そのことを顧客もファンもはっきりと認識している。同社はデジタル写真分野では主導的な地位にあるし、Blu-ray Disc規格の隆盛は同社の功績であり、映画制作スタジオが使う3Dカメラからその映画を視聴するための新世代テレビに至る3Dエコシステムの拡大についてもそうだ。問題になっているのは、いくつかの分野での近年のアイデアの具現化だ。
ゲームブログJoystiqの編集者Andrew Yoon氏は、PSPは、ソニーがすばらしいアイデアを利用するのに失敗し、ファンを失望させたことの最も良い例だと述べている。
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