しかし、ソニーが少なくとも正しい方向で考えていることを示す兆候はある。同社は2010 International Consumer Electronics Show(CES)で、パーソナルインターネットビューア「dash」を披露した。これは現時点では、インターネットアクセス機能の付いたおしゃれな目覚まし時計だ。しかしソニーは、ソフトウェア開発者を引き入れて、TwitterやFacebookといったソニー以外のコンテンツにプラットフォームを開放する方法を探っており、また特にテクノロジにさほど明るくないユーザーをターゲットにしようとしている。このことは、コンシューマーの利益のために同社製品の連携を高めることの重要性を同社が理解しているという兆候でもある、とNPD Groupで家電業界を担当するアナリストRoss Rubin氏は述べている。
「スマートフォンとノートPCとの間には、無数の種類のデバイスがあり得る。そのうちどれを同社が製品化するのかを予測するのは難しい。dashは、既存のカテゴリから発展させてリリースできる、統合可能製品というタイプの、興味深い先触れだ」(Rubin氏)
もちろん、iPhoneや「iPad」と対等に競争する製品を作ることが、古いファンを呼び戻し新しいファンを獲得する唯一の方法というわけではないが、始めの1歩としては良いだろう。JoystiqのYoon氏が指摘しているように、ソニーが、ゲーム中心であり、必ずしもオールインワン型メディアデバイスでないヒット製品を持てる余地は、まだ大いに残っている。そしてファンたちは、ソニーが次に出すものがAppleとの競争に資するかどうかには、期待しすぎない方が良いだろう。
「iPhoneがゲーム中心の統合デバイスの最終形だとは思わない。良いゲームはたくさんあるが、熱心なゲーマーは、そもそもiPhoneをPSPや『DS』と同じ観点から見ていない。iPhoneのゲームエクスペリエンスには明らかに改良の余地があり、ソニーから発売されるといわれるデバイスが動いているところを実際に見るまでは、急いで結論を出すことはできない」(Yoon氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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