世界最大の携帯電話メーカーとなるNokiaは、スマートフォン市場における復活を見せることができた。同社は現地時間1月28日、2009年第4四半期(10-12月期)にスマートフォン分野での世界市場シェアを拡大したと発表している。
フィンランドに本社があるNokiaは、経費削減やレイオフに起因するところが大きいものの、2009年第4四半期の利益が前年同期比で60%増を記録したことを28日に明らかにした。同四半期中のNokiaの利益は8億8200万ユーロ(12億3000万ドル)となっており、前年同期の5億5100万ユーロから大きく増加した。
同社の2009年第4四半期の売り上げは、前年同期の127億ユーロから約5%減となる119億9000万ユーロまで低下した。
しかしながら、売り上げは減少したものの、Nokiaの経営陣は、同社がスマートフォン分野で市場シェアを拡大した点に注目している。Nokiaは、2009年9月には世界のスマートフォン市場で35%のシェアを確保していたものの、現在では40%までシェアを上げている。また、同社の世界の携帯電話市場全体でのシェアも、2009年9月時点の38%から、現在は39%まで増加したとされている。
これまでもNokiaは常に世界のスマートフォン市場で優位を保ってきたものの、Research In Motion(RIM)の「BlackBerry」やAppleの「iPhone」など、ライバルとの厳しい競争を強いられるようになっていた。
Nokiaは2009年を通じて、こうした企業に市場シェアを奪われる結果となった。とはいえ、主に中国、アジア、アフリカ、中東などで好調な売行きを見せているため、Nokiaはスマートフォン市場で攻勢に転じることができるかもしれない。こうした地域での成長が、北米、南米、欧州などでの販売低下を相殺する効果を上げている。
同社は2009年第4四半期中に、前年同期に記録した約4700万台を上回る約5240万台のスマートフォンを販売したと発表している。携帯電話全体の販売台数に目を向けると、同社は同四半期に前年同期比で12%増となる約1億2690万台を販売したという。
同社最高経営責任者(CEO)のOlli-Pekka Kallasvuo氏は声明を出して、「スマートフォンのパフォーマンスは、エマージング市場において成功が続いていることと相まって、前期比および前年同期比の両面で、デバイスとサービスユニットの販売増加に貢献した」と述べている。
Nokiaの利益は、急速な経費削減によるものである。同社は、研究開発費を約9%削減して、約16億ユーロに抑えている。また、セールスマーケティング費用も18%削減されて、10億5000万ユーロとなっている。さらに、同社は一般管理費に関しても、前年同期比で約15%減となる約2億9400万ユーロまで削減した。
レイオフも続いており、同社は2009年中に全従業員数の1.8%となる2276人を解雇した。
一方、同社のサービス事業は前年同期比で15%増となる1億6900万ユーロに増加している。Nokiaは、自動車メーカーが車内ナビゲーション装置に採用を進めたため、「Navteq」ナビゲーションマップサービスのも伸びていることを明らかにした。
また、Nokiaは、携帯電話向けにアプリケーションを販売するオンラインストアの「Ovi Store」で、いまや1日のダウンロード件数が100万件を超えていると発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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