ライバルはモバゲーでもGREEでもない--mixiアプリの真の狙いとは

永井美智子(編集部)2009年10月28日 12時46分

 「ソーシャルプラットフォームはみなさんが思っているよりも早く、世界的な競争に巻き込まれますよ」――ミクシィ取締役で、mixi事業を統括する原田明典氏はこう断言する。国内ではモバイルSNS最大手のモバゲータウンや、急成長中のGREEと比較されがちだが、その目に映っているのは3億人のユーザー数を誇るFacebookや中国Renren Network(人人網、旧Xiaonei Network(校内網))との戦いだ。

 そこで強みとなるのが、PCサイトとモバイルサイトの両方で開始したmixiアプリだという。開発者はmixi上でウェブアプリを公開し、mixi内の友人同士でコミュニケーションを図りながらサービスを楽しんでもらう。ソーシャルアプリと呼ばれるこういったサービスはFacebookが先行しているが、PCと携帯電話の両方で利用できるのはmixiが初めてとのこと。

 ミクシィはmixiアプリを通じてどのような世界を作りだそうとしているのか。ソーシャルアプリを成功させるコツはどこにあるのか。原田氏に話を聞いた。

――mixiアプリモバイルが10月27日に公開されました。どのようなことができるようになりますか。

牧場物語 for mixi mixiアプリモバイルの1つ、牧場を育てる「牧場物語 for mixi」

 すでに公開しているPC版のmixiアプリとほぼ同じことができます。Flashが使えるので、PC版と似たような体感を味わえます。特にモバイル版だからといって、大きな制限があるわけではありません。

 むしろ、モバイルのほうがソーシャルアプリとは相性が良いと思っています。人との交流が中心になりますので、大きな画面も必要なく、深いゲーム性より1分以内に何ができるかがわかることのほうが重要です。従来のオンラインゲームとは真逆の存在だと思います。

 なぜかというと、例えばリアルの友人が10人いて、全員で楽しめるようなゲームといえば、トランプくらいのものです。もしくは温泉宿での卓球のように、すぐ楽しめるシンプルさが必要になるんです。

――逆に、携帯電話だからこそできることは。

 GPSが利用できるAPIは用意しています。今後、デバイスに特化したAPIも1年以内に用意していくつもりです。

 また、課金APIも11月上旬に公開します。これはPC版よりも先にモバイル版で利用できるようになります。mixi内の仮想通貨「mixiポイント」をパートナー向けに開放し、アプリ内で有料コンテンツを提供できるようにします。PC向けにもできれば年内には出したいですね。

――ソーシャルアプリを設計する上で、開発者はどういった点に気を配ればよいのでしょうか。

 たとえばほかのユーザーのプロフィール画面を常に表示するだけでも十分意味があると思います。何の交流もなかったとしても、ほかのプレーヤーの存在を意識できれば「一緒にやっている」という感覚が生まれる。もしくは、一緒に何かをしないとゲームがうまく進行しないような要素を入れてもいいでしょうね。

 そういう意味では「足あと」も重要な要素なんです。GREEの田中社長には「足あとはもう古い」というようなことを言われたようですが、例えばサンシャイン牧場で「友人が自分の牧場に水やりをしに来てくれた」というようなことも、1つの足あとですよね。コミュニケーションというとテキストを打つとか、コメントを書き込むとかいったことを想像しがちですが、そうではなくて、友人を感じることができるかどうかが重要で、軽いふれ合いが大切になってくると思います。

――mixiモバイルアプリの開発者としてはどういった企業が出てくるでしょうか。

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