2009年も終わりが近い。この1年、多くの方々に時間を割いてもらって、取材にご協力いただいた。そこで「2009年を振り返る:鳴海編」という枠を作り、個人的に印象に残っているいくつかの記事を心温まるエピソードとともに振り返ってみることにした。
2009年、話題になったサービスといえばTwitter。10月には共同創業者のBiz Stone氏が来日した。朝早くにセルリアンタワー東急ホテルの一室を訪ね、一目見て思ったのは、「かっこいいな、この人」。Biz Stone氏はおしゃれで、クールで、いまどきの若者という感じがした。
「Twitterは技術ではなく、人間性の勝利(キリッ」という、タイトルに使いやすい決め台詞を用意してくれていたのも助かった。
そういえば2008年にお会いした同じくTwitter共同創業者のEvan Williams氏は成長中のベンチャー社長らしく、もっとギラギラした印象だったのを思い出した。
話の中でもmixiの類似サービスに不快感を示すなど、とても人間くささを感じた。
Twitterの共同創業者は3人いる。残る1人であるJack Dorsey氏はTwitterからは少し距離を置き、新たにモバイル決済サービス「Square」を立ち上げたところだ。iPhoneをクレジットカードリーダーに変身させる小型のハードウェアを提供するのだという。いつかニューヨークにJack Dorsey氏を訪ねてみたい。
Biz Stone氏に会った2週間後、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「GREE」を運営するグリーの代表取締役社長、田中良和氏のインタビューに出かけた。そこで聞いた話は、「GREEは日記をやめて、PC版でTwitterみたいなひとことサービスを始めます」という驚きの内容。
折しもグリーは、自社と似たゲームを提供しているとしてSNS「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーを訴えたばかり。そのタイミングでTwitterに類似したサービスを出しつつ、「これまでのGREEの日記サービスはなかったことになりました」と語る田中氏の笑顔はさわやかだった。
……ここまで振り返ってみて、自分のタイトルのつけ方に癖があることがわかって少し気まずいが、かまわず続ける。
さて、さらに3週間後、今度はサイバーエージェント代表取締役社長、藤田晋氏を訪ねた。インタビューのお題は当時公開間近だったミニブログサービス「Amebaなう」、そしてメディア事業「アメーバ」の黒字化についてだった。
藤田氏にお会いするのは初めてだったので、柄にもなく緊張したのを覚えている。物腰の柔らかい人で、どんな質問をしても特に考えこむこともなく淡々とこちらの質問に答えてくれた。しらじらしく「Amebaなうはどういうサービスですか?」と聞くと、ばつが悪そうに「Twitterに似ちゃいました」と苦笑いするあたりに、グリー田中氏との性格の違いを感じた(ちなみに、私はおふたりとも大好きです)。
Amebaなうといえば、担当プロデューサー、永山瑛子氏のインタビューをさきほど掲載したところだ。実は永山氏はmixiに「永山瑛子さん応援コミュ」ができるほど人気がある。50人以上が参加し、本人の降臨を待ち望んでいる。
取材の席で「永山瑛子さん応援コミュに入りました」と告白したところ、コミュニティの存在は本人も知っていて笑われた。なんとすでに参加もしており、「地味に本人降臨していこうかな」との発言も飛び出した。というわけで、mixiコミュニティの参加者に向けたコメントももらってきた。
「みなさま、ぜひAmebaなうに移行していただけると幸いです(笑) で、フォローしてください」(永山氏)
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