Twitterの共同創業者、Evan Williams氏が来日した。仕事ではなく、夏休み中だそうだ。8月26日夜には、都内で日本のTwitterユーザーや開発者と対話することを目的としたイベント「Twitter創業者Evanと語る会」に出席し、多くのTwitterユーザーと交流を深めた。
Twitterがデジタルガレージと組んで日本向けサービスを開始して半年。初めての国際展開で、実験的に広告も掲載した。一方でライバルの動きも活発だ。Twitterが頻繁にダウンしているようであれば、ユーザーを奪われかねない。国内最大のソーシャルネットワーキングサービス「mixi」も、Twitterと同種のサービス「エコー」を開始したばかりだ。
Twitterの現状と周辺環境について、Evan Williams氏とデジタルガレージ取締役の伊藤穰一氏に聞いた。
Evan:まだまだやらなければならないことはありますが、まずはグッドスタートですね。モバイル対応、特にドコモにまだ対応していないのでそこが先決です。あとはEメールから投稿できるようにすることも重要だと思っています。
もちろん通常のTwitter.comにもいろいろな機能を加えていくので、それを日本語版に反映していきます。
伊藤:まずモバイル版が出ることを期待して欲しいです。最初ブロガーをはじめとしたアーリーアダプターの間で広がってくれましたが、米国のTwitterのコアユーザーはまた違う層なんです。
Evan:5月、6月はスケーラビリティに関してトラブルがありましたが、それ以外は順調に伸びています。とはいえ、完全に克服できたかというと、それは保証できません(笑)。一応、いまのところはこのままいけば大丈夫だとは思っていますが。
Evan:mixiが同じようなサービスを開始したことについては快くは思っていません。
ただ、Facebookも同じようにTwitterに似た機能を提供しているけれど、何とかTwitterの方がリードしている状態なので、日本でもそういう状況が続けばいいなと思っています。
伊藤:確かにmixiエコーは脅威だと思います。似ていますから。Twitterの良さはデベロッパーのコミュニティやオープンAPIなどの比較的オープンな部分なのですが、日本のユーザーさんはそこまで気にしていないと思いますので、エコーはmixiユーザーの中では流行るんじゃないかと思います。
だからどれだけTwitterと協業するコラボレーターが集まってくるかというところが1つのテストになるんじゃないかと思いますけどね。
Evan:日本に向けた機能が必要だとは重々承知しています。だからこそデジタルガレージと一緒にやっています。決して米国の単なる日本語ローカライズ版だけでやっていくつもりはありません。
伊藤:鍵になるのは他サービスとの連携だと思います。結局、Facebookってポータル系じゃないですか。
そういう抱え込みポータル系はなかなか日本にいる会社には勝てないと思いますが、Twitterはもう少し、いろいろなサービスと組んでいけると思います。
本来はmixiとかと組めれば良かったんですけど、まあそういうことになっちゃったので。まあmixiじゃなくても他にもあると思います。
伊藤:そうですね。たくさんのベンチャー企業とうまく共存できればと。あと、本当はTwitterを真似しないでインフラとして使ってくれればよかったんですけどね。Twitterは本当に難しいビジネスモデルなんですよ。Twitter的なものを小さく展開しようとすると儲からないですからね。
Evan:そこはあまり把握していません。グローバルでTwitterの収益モデルについては、まだ取り組み始めていないですが、アイデアはあります。2008年末にかけて実験的な試みを進めていく予定です。ユーザーを増やしていくことによってビジネスモデルをきちんと軌道に乗せられると考えています。
伊藤:おもしろいと思います。Twitterとブログは少し似ていますけど、結局はコミュニケーションツールとメディアやポータルで随分アプローチは異なると思いますので、そういう意味ではTwitterはメディアよりもコミュニケーションツールに近い。まずはモバイルでうまくいくかどうかが重要だと思いますね。
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