まだSquareは小さな企業ではあるものの、Twitterの共同創設者兼会長であるJack Dorsey氏によって立ち上げられた新たなモバイル決済会社である。これまであまり表立っては取り上げられてこなかった(さらには、サンフランシスコでも指折りのトップシークレットとされてきた)が、ついにSquareはベータサービスを開始し、予備アカウントを登録する電子メールが受け付けられるようになったほか、同社事業について説明するベーシックなウェブサイトが開設されている。
Squareの提供するハードウェアは、小型で低価格なカードリーダーとなっており、携帯電話などの対応製品のヘッドホンジャックに差し込むことで動作する(当初はiPhoneより対応するものの、BlackBerryおよびAndroidのエンジニアを募集する求人広告が現在掲載中である)。クレジットカード決済、地図上の現在位置のジオタグ、電子メールによる顧客への領収書の送信といった処理がなされることになる。
Squareは、あるアーティストがクレジットカード決済を導入できなかったために売り上げが伸びなかったことについて、現在のエグゼクティブが耳にしたことをきっかけに同事業を立ち上げるに至ったと明らかにしている。同社ウェブサイトによれば「プラスティックカードによる決済が数多く採用されるようにはなってきたものの、カード決済の導入には依然として手間がかかり、複雑な申請書類、高価なハードウェア、あまりにも難解な導入までの処理体験などが付き物となっている」と説明されている。
これまで報じられていなかった新たな情報としては、ロイヤリティプログラムと小額寄付システムが組み込まれている点が挙げられる。Squareは、既定のディスカウントやプロモーションに基づいて購入履歴をトラッキングできるため、コーヒーショップなどで10杯につき1杯が無料になるカードなどを発行する必要がなくなる。また、Squareは、各決済につき1セントを、販売店が選ぶ非営利組織へと寄付する仕組みになっている。
米CNETは、「Squirrel」のコード名が付された同社名を最初に報じていたほか、製造コストを低く抑えるビジネスモデルなどの詳細も伝えており、おそらくはデバイスを無料で提供した後に決済手数料によって収益を上げるようになるだろうとまで記していた(本当にデバイスが無料で配布されるのかどうかは、現時点では定かでない)。
Squareは、サンフランシスコ、ニューヨーク、セントルイスにオフィスを構え、11人の従業員から成るチームを要しているとウェブサイト上で発表した。Khosla Venturesおよび若干のエンジェル投資家からの支援を受けているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス