「思い込みを払拭して新世界でビジネスを」--アドモブ社長、Androidカンファレンスで語る

 11月30日に開催された「Android Bazaar and Conference 2009 Fall」の午後のセッションでは、スマートフォンなどのモバイル端末に特化した広告配信事業を行うアドモブの代表取締役社長であるJohn Lagerling氏が登壇し、同社の取り組みとマーケットに求められるアプリケーション企画のヒントなどを紹介した。

 アドモブは、従来携帯端末向けには本格的に広告を出稿しないと言われてきたコカ・コーラやナイキといった大手クライアントのキャンペーンを請負っている。

 Lagerling氏は、11月にGoogleがアドモブを買収することで基本合意した件に触れ、モバイル端末をプラットフォームとした広告の将来性を強調した。「一年前、最も売れた携帯端末はモトローラの「RAZR」で、タッチ式の携帯電話はiPhoneだけだった。しかし今やApp Storeが付いて、Wi-Fiが付いて、タッチ式という端末はトレンドになっている」と、予測が難しい市場の変化の面白さを語る。

John Lagerling氏 流暢な日本語でプレゼンテーションしたアドモブ代表取締役社長のJohn Lagerling氏

 同氏によると、アプリケーションマーケットの中でユーザーの行動に影響する情報はアプリの「ランキング」が大きいという。次に目的のアプリがマーケットにあるかどうかが問題になるというが、iPhoneと比べて、市場規模がまだ小さいAndroidは後者の影響力が弱いそうだ。

 特に有料アプリはスタート時期が遅く、対応している国の数が少ないこともありAndroidマーケットの課題となっている。今後アプリの数が増え、マーケットが盛り上がることが課題の克服につながるが、開発するアプリのターゲット属性を知るためには端末ごとのユーザー数の割合を知るだけでは情報不足と語る。

 Lagerling氏によれば、必要なのは「端末の使用時間」を知ることだという。特に通話機能のないiPod Touchが、10代の若者における活用時間が長いことに注目した。

「モバイルだからといって家で使わないと考えるのは思い込み。思い込みを払拭するのもひとつの手だ」として、いわば「布団でiPod」の若者向けに無料のアプリを企画し、有料は30代以上をターゲットとする方法も有効だとアドバイスした。このような分析に役立つリソースとして、Lagerling氏は「AdMob Mobile Metrics」のサイトを紹介した。

端末の能力向上で動画コンテンツも人気

 また、現在のiPhoneやAndroidによる端末が、過去にスマートフォンと呼ばれていた端末とはまったく別の、世代交代した端末であることも意識すべきだとして、端末の処理能力の向上に合わせた表現力を持つコンテンツが広告の分野でも求められているというニーズを説明した。

 特にHDの動画CMは、iPhoneプラットフォームの中で効果を出しているとする。アプリの中に、動画の再生ボタンを組み込む形で映画などのコンテンツ紹介をするアプリは人気が高いという。

 クライアントは動画さえ用意すれば、アプリへの組込みはアドモブが担当する。クライアントには技術的な知識が不要である点もアドモブのメリットである点を説明した。

 ただし、米国において年内のiPhone向け動画枠を抑えるのは、もう難しいそうだ。Lagerling氏は、その枠が「Windows 7キャンペーンのためにマイクロソフトによってすべて押さえられている」ことをあかし、参加者を驚かせていた。

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