米大手モバイル広告ネットワーク運営のAdmob(アドモブ)は2月、日本市場に参入して営業活動を開始することが、1月10日までに分かった。
英語圏で最大級となるモバイル広告ネットワークの仕組みとノウハウを生かした日本語版サービスを提案し、日本のモバイルメディア運営企業およびモバイル広告出稿需要を開拓。日本においても、1〜2年で最大級のモバイル広告ネットワークの構築を目指す。
国内に海外大手が参入することで、「モバイル先進国」とされながらネット広告の約1割程度にとどまるモバイル広告市場の成長速度が加速する可能性もある。
Admobは2006年設立。2008年1月現在、米国、英国、インド、南アフリカ共和国など英語圏である160カ国で事業展開している。サービス開始後1年半程度で、2750のメディアに向けてクリック保証型のバナーおよびテキスト広告などを配信し、直近の月間インプレッションは20億を突破した。
広告主は広告内容と配信先の大まかな希望を指定するだけで、閲覧者の基本属性や大別されたジャンルのメディア別、携帯電話端末の機種やキャリア別などの指標から最適な配信先へ広告が掲載されるのが特徴。ほぼリアルタイムで把握できる広告配信状況や費用対効果などが分かる管理・分析機能などでも利用者からの支持を得ているという。
2007年初夏に日本市場参入の可能性を検討した結果、今後の海外展開における重要拠点であると判断。2007年末までに日本語サービスのベータ版システムを完成させた。
2月から向こう半年間はテスト期間と位置付け、メディアの開拓を行うとともに、最適な広告配信システムの調整や日本の商習慣への適合などに充てる。英語圏の広告配信先が大手メディア、大手ブランド、ダウンロード系、電話セールス関連――に大別されることから、まずは中小規模のメディアでの展開をショーケースに見立てた実績を積み、これをベースに効率的な事業拡大が見込める大手メディアの開拓につなげていく見通しだ。
まずは日本の営業活動責任者を1月内に決め、マーケティング、商品担当などの人材を順に採用し、半年後に日本法人を設立する方針。現地法人は米国、英国に次ぐ3カ国目となる。
事業開発担当副社長のNiren Hiro氏は「日本は将来的に米国、欧州と並ぶ重要な市場となる。インプレッションの規模と伸びにおいては、英語圏と一桁違う成果が得られると期待している」としている。
電通の発表によると、日本の2006年におけるモバイル広告市場規模はネット広告全体の約1割にあたる390億円。7割のネット利用者が携帯電話端末経由でもネットを活用している日本において、「モバイル広告市場は間違いなく成長市場」(Niren Hiro氏)と期待されている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス