Appleの「App Store」は大成功を収めているが、アプリケーションの承認プロセスが原因で論争の泥沼にはまり込んでもいる。だが同社は、厳格な管理について謝罪することはなく、ユーザーの利益を最優先に考えて行動していると主張する。
Appleでワールドワイド製品マーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるPhil Schiller氏は、米国時間11月22日に掲載されたBusinessWeekとのインタビューの中で次のように述べた。「当社は、大部分においてユーザーが信頼できるストアを構築している。アプリケーションは、あなたも家族も友人も誰もがストアからダウンロードでき、大部分において期待通りの働きをし、電話に組み込まれ、適切な請求がなされ、すべてうまく機能する」
Schiller氏はBusinessWeekに対し、アプリケーションを承認しない理由の内訳を明かした。開発者に送り返されるアプリケーションのうち約90%は技術的問題が原因であり、コードを微調整してアプリケーションが正しく動作するように直せばいいだけだという。
BusinessWeekによれば、約10%は、個人データを盗み出そうとしたり、他者が法を犯すのを手助けしようと試みたりするものか、あるいはAppleが不適切と考えるコンテンツを含むために承認が受けられないという。
約1%はグレーゾーンに分類される理由で拒否されていると、Schiller氏はBusinessWeekに対し述べた。
Appleが開発者と揉めている直近の問題の1つは、Rogue Amoeba Softwareの音声ストリーミングアプリケーション「Airfoil Speakers Touch」におけるApple製品画像の使用をめぐるものだ。すでに公開されている同アプリケーションのアップデートをめぐり行きつ戻りつの3カ月半を経て、Appleは、Rogue Amoebaが当初の申請と同じように製品画像を使用したままAirfoil Speakers Touchのアップデートを再申請できるようにする意向と見られている。だが今回の騒動は、App Store向けの今後の開発においてRogue Amoebaを幻滅させたようだ。
Rogue Amoebaの最高経営責任者(CEO)Paul Kafasis氏は11月23日、CNETに対し次のように述べた。「現在のところ、当社がこのプラットフォームに戻る計画はない。Appleは、同社の審査プロセスにおける小さな問題を1つ修正した。だが、当社としてリソースを投じる価値がある場所だと思えるようになるためには、このプラットフォームは全体的に今なお対応すべき数多くの問題を抱えている」
App Storeでは現在、10万本以上のサードパーティーによるアプリケーションがダウンロード用に提供されている。Appleによれば、2008年7月のApp Store開設以来、ダウンロード本数は20億本を超えるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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