Microsoft自身がIEの活気をなくし、IEをコンピュータ攻撃の格好のルートとしたことも、Firefoxの成功を助けることとなったが、Firefoxの速さ、タブインターフェース、アドオンによるカスタマイズ機能、ポップアップ広告ブロック機能といった機能も成功を後押しした。公開されたFirefox 1.0は最初の1カ月で1000万回ダウンロードされた。
「Firefoxに行き着いたときは、いろいろな意味で、一夜にして成功したと言える。われわれの初期の成長は期待以上のものだった。この事業を開始したところから、つまりNetscape内の戦略的な事情から、興味深いソフトウェアカテゴリとしてのブラウザの再生における最大勢力になるまでに至ったとは、まったく驚きの終着点だ」(Shaver氏)
ブラウザ市場は全体的に、今までにないほど活気にあふれている。Microsoftさえもウェブ標準に関与し、「Microsoft Office」のウェブベース版を作っている。そして、Firefoxを率いる人たちは、旧来のライバルと格闘しなければならないのと同時に、「Google Chrome」という新しい挑戦者を迎えている。
Shaver氏の見解では、Mozillaは2度の厳しい試練を乗り超えてきたという。最初の試練は、Netscapeの取り組みを変更し、オープンソースプロジェクトとしてMozillaソフトウェアを最初にリリースしたことだ。
「われわれの最初の大きな試練は、『Netscape 6』のリリースのころだった。それから『Mozilla 1.0』までの間、われわれはオープンソース最大の失敗をしていた」(Shaver氏)
2度目の試練は、2003年にNetscapeを捨て、Mozillaを利用して、後にFirefoxとなるものを推進すると決めたことだった。
「この製品変更に関してコミュニティーを調整することが、プロジェクトを発展させるための2度目の大きな試練だった。どうなるか分からない不安定な時期だった」(Shaver氏)
Firefoxについては、外部から好意的な反響が多く寄せられたが、全員が賛同するまでには長い時間がかかった。2006年10月にリリースされた「『Firefox 2』で初めてそれが実現できた。中核的な開発者が、NetscapeではなくFirefoxを選んで取り組んでくれるようになるには、長い時間がかかった」(Shaver氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)