Mozilla Foundationのウェブサイトがダウン寸前の状態に追い込まれた。アナリストはこれを、オープンソースブラウザであるFirefox 1.0の発表後に発生した「成功の危機」と呼んでいる。
同ブラウザは、9日の午前1時(米太平洋標準時間)からダウンロード可能になった。ところが同日朝に、同ウェブサイトへのアクセスを試みて成功した人の割合はわずか45%だった、とネットパフォーマンス管理会社GomezのシニアアナリストStephen Pierzchalaは語っている。また、運良くアクセスできても、T1以上の回線でさえページの読み込みに平均40〜50秒もかかってしまった。Amazon.comやYahooといった人気サイトでも、大体4秒もあれば全ページを読み込めると同氏は語る。
「Firefoxは成功の危機に直面している。かなりの人が同サイトにアクセスできずにいるというのは悪材料だが、人気が高いのは良いことだ」(Pierzchala)
Mozilla Foundationは、膨大な数のユーザーの訪問に備え、発表に先立ち新たな予防策を講じていたという。
Mozilla FoundationのエンジニアリングディレクターChris Hofmannは電子メールで、「Firefox 1.0の登場に合わせて数週間前から準備していた対策の1つが、サーバ処理容量の強化だった。プレビューリリース期間中のトラフィックは、われわれが経験したことのない量だった。そこで、1.0投入に先立って計画を立て、見積を行った。ところがふたを開けて見ると、トラフィックがわれわれの予想をはるかに超えてしまった」と述べている。
Hofmannは、「新しいサーバや予備の帯域はあるので、これを早急に追加しているところだ。現時点ではパフォーマンスも改善されつつあり、この傾向が続くと見ている」とも付け加えた。
Pierzchalaは、40秒だった遅延時間が正午までにはT1以上の回線で平均約7秒にまで改善された、と語った。同氏はさらに、Mozillaサイトではブラウザがリリースされる数時間前から既に速度低下の兆候が見られていた、とも付け加えた。
「前日夜の11時には既にパフォーマンスが低下しつつあった。おそらく、だれもがリリースを今か今かと待ちながら再読込ボタンを押し続けていたのだろう」(Pierzchala)
Mozilla Foundationでは複数のミラーサイトも用意している。ファイルは、これらの代替ウェブサイトでも公開されていて、これらからもダウンロードできる。しかし、Mozillaサイトにアクセスしてその情報を入手することが難しい。
「いずれはウェブログやチャットのフォーラムでミラーサイトの情報が公開され、Mozillaサイトにアクセスせずに済むようになるだろう」(Pierzchala)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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