Microsoftは同社のデータセンターの詳細を多く公開しているが、口を閉ざしておきたい事柄もある。例えば、正確な所在地やそこで働く従業員の氏名、さらにはラックやコンテナを埋めるサーバのブランド名といったことだ。
また、各設備でどのサービスを稼働させているかについても、正確なところは口をつぐんでいる。ただし、シカゴにあるデータセンターの上階のサーバルームにたくさん貼られている「Bing」のポスターは、そこで何が行われているかを十分示唆している。
Microsoftはもともと、このシカゴのデータセンターを2008年に開設するつもりだったが、経済不況や度重なる全社的な経費削減に伴い、データセンター建設のペースを落とした。このデータセンターは当初の予定より遅れて、9月下旬に落成を迎えた。
しかし、それから1カ月もたたないうちに、Microsoftのデータセンターはまったく別の理由で注目を浴びることとなった。MicrosoftがDanger買収の一環として獲得した、より旧式のデータセンターにおける大規模なサーバ障害によって、多くのT-Mobile「Sidekick」ユーザーが、自分のデータにアクセスできなくなった。機能停止は月をまたぎ、本稿執筆時点も続いている。
Sidekickはまったく異なるアーキテクチャを使用しているが、この障害は、クラウドコンピューティングに対する最大の不安が顕在化した一例となった。ある日目覚めてみると、自分のデータがなくなっているという不安だ。
Microsoftはすぐに、Sidekickの構成と、Microsoftがシカゴやそのほかの場所に建設しているデータセンターとの違いを強調した。Windows AzureゼネラルマネージャーDoug Hauger氏は、Sidekick障害後の声明の中で次のように述べている。「われわれはユーザーデータのレプリカを複数作成し、複数のデバイスに書き込んでいる。このため単一または複数の物理ノードに障害が発生した場合でも、データを利用できる」
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