NokiaおよびSAPは、メーカーが偽造品対策を進められる技術を提供する新企業を共同で創設する。
両社はオーストリアのウィーンで開催された「SAP TechEd」において現地時間10月27日に声明を出し、新会社のOriginal1は、ブランド製品の認証を向上して、偽造行為から保護するサービスを提供すると発表した。
Original1のSaaS型のサービスでは、SAPのサプライチェーン技術およびNokiaのモバイル認証ソフトウェアが統合されている。NokiaとSAPが同事業の40%ずつを担うほか、ドイツのGiesecke & Devrient(G&D)が残る20%を負担して、セキュリティや暗号化に関するコンポーネントを追加する予定である。
同サービスは、とりわけ偽造行為の影響を受けやすい医薬品や高級ブランド商品を対象にして提供されると、G&Dの広報担当であるStefan Waldenmaier氏は語った。自動車部品やソフトウェアなどの他の製品も同サービスの恩恵にあずかることができると、同氏は述べている。
現時点では、同サービスでカバーされるのは物理的な製品のみであり、電子的に提供される製品は対象とされていない。たとえば、Original1はパッケージ製品としてのソフトウェアを保護対象としているものの、ダウンロード提供されるメディアは対象外である。
同サービスは、次のように提供される。まずブランド製品は、高性能な不正開封防止バーコードで電子的にタグ付けされる。これにより、メーカーはNokiaのスマートフォンを用いて、製品が工場から店頭の商品棚へと運ばれていく過程を追跡可能となる。その後、小売業者はデータベースを参照して製品情報をチェックし、データが合法的な認証製品と合致しているかどうかを判断可能となる。
ドイツのフランクフルトに本社があるOriginal1の社長には、現在はSAP ResearchのバイスプレジデントであるClaudia Alsdorf氏が就任する予定である。
Alsdorf氏は声明を出し「偽造行為は深刻化する世界的な問題となっており、あらゆる業界において多くの成功企業に影を落とすようになっている。経営に致命的なダメージが及んで手遅れにならないうちに、今こそ企業は偽造行為と闘わなければならない」と述べた。
すでにSAPは、複数の顧客を対象に新サービスのパイロットテストを実施しており、そのテスト結果は良好であると明らかにしている。
NokiaとSAPは、これまでもモバイルプロジェクトに共同で取り組んできた。NokiaはSAPのグローバルテクノロジパートナーとなっており、SAPは「Nokia Enterprise Zone」のメンバーである。
規制当局による承認を経た後、Original1は2009年内に事業を正式に開始する予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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