ネットオークション会社のeBayが、偽造品をめぐる最新の訴訟で勝訴した。
eBayは米国時間5月13日、大手化粧品会社のL'Orealが同社を相手取って起こした訴訟で、フランスの裁判所が同社側の主張を認める判決を下したと発表した。L'Orealは、eBayのサイトで偽造品の取引が横行していたとして、eBayに対し480万ドルの損害賠償を求めていた。Elisabeth Belfort判事は、サイトでの偽造品の販売に関してeBayの責任を問うことはできないと述べた。判決ではさらに、eBayは偽造品対策を通じて、「市場における他の事業者への忠誠の義務を果たしている」としている。
eBayは、偽造品対策に年2000万ドル以上を費やし、商品が本物かどうか疑わしい場合には出品を削除する措置を取っていると主張した。一方、L'Orealは、偽造品の販売を阻止するためにeBayはもっと多くの対策を講じることができるはずだと反論した。
eBayの法務顧問であるMary Huser氏は「これはeBayにとって明らかな法的勝利であり、フランスの消費者にとっては重要な意味を持つ勝利だ。オンラインにおけるeBayの偽造品対策の有効性、インターネットホスティングプロバイダーとしての当社の立場が裁判所に認定されたことを喜ばしく思う」と述べ、「われわれは常々、協力こそが偽造品と闘う最良の方法だと考えており、未解決の問題を友好的に解決せよとの今回の提言を歓迎する」としている。
今回の最新の訴訟の直前にも、同様の訴訟がeBayに対して起こされている。なかでもL'Orealは最も訴訟に熱心で、過去2年間に数件の関連訴訟を起こしている。2008年には宝飾会社のTiffany & Co.、さらにはLouis VuittonやChristian Diorの親会社である高級ブランド大手のLVMH Moet Hennessy Louis Vuittonが、偽ブランド品の販売をめぐってeBayに対して訴訟を起こした。eBayは、Tiffanyとの訴訟には勝訴したが、偽ブランドのハンドバッグをめぐるLVMHとの訴訟では敗訴し、4000万ユーロ(約6300万ドル)の罰金を支払うよう命じられている。
業界団体のSoftware and Information Industry Association(SIIA)も、海賊版ソフトを強引に売り込む販売業者をめぐってeBayの提訴を視野に入れている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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