米政府、知的財産権に関する多国間条約案の概要を公開

文:Stephanie Condon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2009年04月08日 18時13分

 米Obama政権は、現在交渉が進められている多国間の偽造防止条約に関する情報を一部ながら公開した。この条約の内容は数カ月間秘密にされていたため、多くの公益団体がいら立ちを見せていた。

 米国通商代表部(USTR)は米国時間4月6日、「模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement:ACTA)」の概要を公開した。知的財産権の行使に関する基準の設定を目標に、2006年にACTAの締結に向けた交渉が開始された。

 この概要には、候補に挙がっているいくつかの章と、各章に盛り込まれる可能性のある条項が列挙されている。しかし、その概要には次のように書かれている。「最終的にこの条約に盛り込まれる可能性のある多様な要素についてさまざまな案が出ており、現在は、各国代表者がそれらの案について議論している段階だ。同条約の文言の包括的な案の一式はまだ存在しない」

 しかし、この概要にはインターネットサービスプロバイダー(ISP)に対し、知的財産侵害行為の責任を負わせることについて議論されてきたことが示唆されている。

 ACTAの締結に向け交渉している国は、米国、カナダ、メキシコ、スイス、27の欧州連合加盟国、モロッコ、オーストラリア、日本、シンガポール、韓国、ニュージーランドだ。

 同概要に記載されている、ACTAに盛り込まれる可能性のある章を以下に列挙する。

  •  デジタル環境における知的財産権の行使:関係各国は、「インターネット上における著作権および関連する権利に対する海賊行為を阻止する上で、ISPが担う役割と責任」を明確化するための章をACTAに盛り込む意向だ。
  •  民事上の行使:この章には、知的財産の侵害による損害の決定方法、当事者に侵害行為を止めさせるための差し止め命令を下す司法当局、偽造品を破壊するためのプロセスが盛り込まれる予定だ。
  •  国境措置:この章では、第1に国境措置を輸入品にのみ適用すべきか、あるいは輸出品にも適用し、旅行者に私的使用目的での知的財産の持ち出しを許可すべきか、第2に知的財産権者が税関当局に国境で知的財産侵害が疑われる物品の差し止めを要請する際の手続き、第3に当局がこのような差し止めを自主的に行う権限について定める予定だ。
  •  刑事上の行使:この章では特に、刑事制裁にふさわしいかを決定する上で必要な侵害の規模、刑事罰の範囲(特にビデオに動画を録画する場合や偽造ラベルの不正取引の場合)、関係当局が自主的に侵害者を取り締まれる場合を明確化し、さらに当局に対し、知的財産権の侵害が疑われる物品または侵害行為によって得られた財産の捜索または没収を義務付ける予定だ。
  •  国際協力:各国の所轄官庁間の協力、権利行使を改善するための技術支援の提供、統計データや成功事例などの関連情報の共有を、プライバシーや機密情報を保護するための国際ルールや関連する国内法に従って行う必要性を認識するための章になる可能性が高い。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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