Tiffany & Co.は、偽造されたTiffanyブランドの商品を摘発するように、eBayに対して強いることはできないとした、最近の米連邦裁判所による判決を不服とし、控訴する方針を米国時間8月11日に発表した。
米連邦判事のRichard Sullivan氏は7月、商標権保護法を適用して、eBayが個々の出品リストをチェックし、偽造品の疑いがないかを調査するように強制することはできないとの判決を下した。Sullivan氏は「(この件に関して)法律は明白である。商標を守り、管理する責任は、その商標権の保持者に課せられている」と記した。
Tiffanyの顧問弁護士で、Arnold & Porterの専属でもあるJames Swire氏は、インタビューに応じ、「今回の判決に関しては、複数の法的な過ちが犯されたと、われわれは確信している。巡回控訴裁判所で、この件が新たに扱われ、われわれの見解と一致する判決が下されると信ずるに足る、十分の根拠がある」と語った。
また、Swire氏は「もしフリーマーケットを運営しており、そのフリーマーケットで偽造品の出品を続けている出品者がいると気づくようになったならば、当然ながら、その件を調査する義務を負うはずである。それなのになぜ、eBayの場合は、これと異なったりすることがあろうか?」との疑問を呈している。
Tiffanyは2004年に、eBay上で、Tiffanyに関連すると思われる出品リストをランダムに抽出したところ、その73%が実のところ偽造品であると判明したため、eBayに警告し、提訴するに至った。主にTiffanyは、5品以上の模造品を、Tiffanyのジュエリーとして出品していた出品者を、他にも多くの偽造品を出品している可能性が高いとして、eBayの利用を禁止するように求めてきた。しかしながら、この要請がはねつけられ、さらには、eBayに出品されている、すべてのTiffanyのシルバージュエリーの出品を禁止する要求も拒否されたのを受けて、eBayを提訴している。
Tiffanyの法律顧問であるPatrick Dorsey氏は「今回の判決は、eBayが、消費者と商標権保持者を犠牲にして、利益を上げ続けることができることを意味している。Tiffanyのような特定のブランドが広く偽造され、eBay上で取り引きされていることを知るに至る根拠があるならば、eBayには、調査を行って、顧客を保護し、違法行為を阻止すべく行動を起こす義務がある」と、プレスリリースの中で述べている。
eBayの広報担当であるCatherine England氏は11日、「Tiffanyが、地方裁判所で判決が下されたにもかかわらず、引き続き訴訟を継続することを決定したのは、偽造行為と闘う上で、何ら意味を成さない。企業、政府機関、司法機関による、一貫した協力体制こそ、偽造行為を阻止する最善の方法である」と語った。
今回のTiffanyによる控訴の直前に、Software and Information Industry Association(SIIA)は、海賊版ソフトウェアの出品に関し、eBayを提訴する方針を示唆しており、フランスでは、eBayに対して、偽造品出品の件で、高級ブランド最大手の仏LVMH Moet Hennessy Louis Vuittonへの罰金の支払いが命じられた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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