ウェブの生みの親T・バーナーズ・リー氏が語る--ネットに関する展望と助言 - (page 2)

文:Rafe Needleman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年10月28日 07時30分

 普及させたければ無料にせよ。Twitterの創立者たちは、自社製品を構築する前にこのメッセージを聞いたに違いない。ウェブに課金することを考えなかったのはなぜかという質問に対するBerners-Lee氏の答えは、現実的で資本主義的なものだった。「われわれはウェブを普及させたかったからだ。すべてのページにURLをつけたかった」。そして、同氏はそれを実現した。競合する有料のハイパーテキストシステムがあったとしても、それが普及することはなかっただろう。

 大企業は敵だ。これは、Berners-Lee氏の次の発言を筆者が解釈したものだ。「わたしは、大企業であれ政府であれ、何か大きなものが参入してきて支配権を握ることを心配している」。例えば、Facebookのような大規模ソーシャルネットワークは、ほかのシステムに対して開かれていないため、コミュニケーションを過度に支配するようになる、と同氏は述べた。同氏が言うように、かつての電子メール時代には、あらゆるシステムから、誰にでもどこにでも電子メールを送信することができた。それらはすべて相互につながっていた。大規模で閉じられたシステムでは、ユーザーは管理権を所有者に譲渡することになる。

 開かれた小さな企業が閉じられた大企業を倒すこともある。例えば、小規模なソーシャルネットワークが標準規格を使って互いのネットワークを接続するように、開かれた方法で相互に接続する小規模な企業があれば、孤立して閉じられたシステムは、どんなに大きなものであっても、うまく行かないことがある、とBerners-Lee氏は考えている。

 デザインは機器から切り離すべし。モバイル機器の成長は、デスクトップやノートPCの1つの画面サイズを対象としたウェブデザインを考えていると、製品の成長がさえぎられかねないことを示す一例だ。もう1つの例は、「巨大な画面」を使うユーザーが増えていることを考慮しないことだ。そうした画面では、例えば800×600のFlashウィンドウ向けに作成されたデザインは、非常に小さく貧弱なものに見える。

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