ワシントン発--WWW(World Wide Web)の生みの親Tim Berners-Lee氏は米国時間3月1日、政治家らに対し、ウェブが単一の企業や国家に管理されることのないように保護することが重要であると述べた。
同氏は、インターネットおよび電気通信に関する法律を制定する米国下院委員会に対し、政治家が今後の最優先課題とすべきなのは、「ウェブを白紙や未使用のキャンバスのような状態にしておき、すぐそこまで来ている新しい技術が制限されないよう配慮すること」であると述べた。
これは、利用するソフトウェアやハードウェア、インターネットサービスプロバイダ、使用する言語、障害の有無に関わらず、誰もがウェブを利用できるようにすることを意味するとBerners-Lee氏は述べた。同氏は、当地で開催された「The Future of the World Wide Web(WWWの将来)」というテーマの公聴会に唯一のパネルとして参加した。この公聴会は、政治家らに通信分野における最新の問題を理解してもらうことを目的とする一連のイベントの第1回目として催された。
Berners-Lee氏は以前、ネットの中立性を支持する見解を明らかにしている。だが、1日の公聴会では、ここ1年の間に米議会に提案されたネット中立性関連のさまざまな法案について、言及しなかった。
同氏は「WWWをベースにした社会では、差別のないインターネットの実現が非常に重要であると感じている」と述べた。「社会において通信メディアは非常に重要な役割を果たしている。そのため、特に注意深く扱わなければならない」(Berners-Lee氏)
ネットの中立性の擁護者らは、VerizonやComcastなどのネットワーク事業者が、GoogleやAmazon.comなどのコンテンツ企業を厚遇する代わりに、さらなる料金を課金することを禁止しようとしている。今回の公聴会開催を担当した下院議員Edward Markey氏(マサチューセッツ州選出民主党)は、これを法制化しようとする2006年の法案の主要な発起人の1人である。
新法案を否決する方向にある共和党との意見の分裂に配慮してか、Markey氏は1日、議員らに対し声明を出した。そのなかで同氏は「すべての人々の見解を得るため、2007年末までにこの問題に関するあらゆる立場の意見を聞いていく」と述べた。
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