電気自動車を走らせる上で、仮に動力のための電源の問題がクリアされたとしても、実用的な自動車とするためにはまだまだ課題が残っている。自動車に不可欠な冷暖房や夜間走行に必要なヘッドライトなどの灯火類などだ。現在の燃費測定に加味されることはないが、冬季に暖房のない自動車や夜間にライトの付かない自動車はありえない。
その問題解決に進化を見せるのがLEDヘッドライト。ガソリンエンジンでは電装類のために小さい発電機を回しているが、実用性に差が出るほど燃費に影響はなかった。ところが、電気自動車の場合、夜間にライトを点灯していると走行可能距離に大きな影響が出るという。
LEDは家庭用の電球の代替として普及がはじまったばかり。自動車用ヘッドライトでも急速な進化の真っ最中だ。ライトの大手メーカーのひとつ「小糸製作所」はLEDライトの進化について予想図を掲示している。
現在、LEDヘッドライトはトヨタのプリウスに搭載される最新のもので、全体の消費電力は従来のハロゲン電球の約3分の2。しかも左右の片側を2灯にする必要がありコストもかかる。それを2灯から1灯ですむようにして全体の消費電力を下げていく。将来はハロゲンの2分の1から5分の1程度まで下げる計画だ。
電力消費量が燃費や走行距離に密接に影響するハイブリッドカーや電気自動車は、これら電装部品の進化は不可欠。部品メーカーも実用化へ向けて努力をしている。
ハイブリッドカーが台頭する中で、ハイブリッドカーを一部否定するメーカーも現れた。軽自動車に限った話だが、ダイハツの社長が「軽自動車にハイブリッドは不要」と宣言した。重い充電池、モーター、切替機構などを搭載するなら、軽量化をはじめ基本的な改善を施したほうがメリットが大きく、低価格の実現も容易でトータルの環境負荷も減らせるという。
ハイブリッドカーや電気自動車は「エコカー」と呼ばれるが、一方でどのような課題があるかはあまり報じられていない。
ハイブリッドや電気自動車=エコという風潮に疑問を持ったなら、ぜひモーターショー会場で説明員に疑問をぶつけ、話を聞いてみると良いだろう。
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