公益事業市場へのさらなる進出を目指すMicrosoftは米国時間10月13日、公益事業のスマートグリッドプログラムに特化したアーキテクチャを開発したと発表した。
「Microsoft Smart Energy Reference Architecture」(SERA)と名付けられたこのアーキテクチャの狙いは、公益事業を営む企業が自社のITシステムを統合および近代化するにあたり、その基盤を提供することにある。Microsoftによれば、このソフトウェアは電力業界に特有の機器と連携して動作し、これにより電力会社は次々と発生するリアルタイムのデータをより適切に処理できるという。
現在、世界中の政府が数十億ドル規模の資金を提供して電力会社に配電ネットワークの改良を促しているが、このようなスマートグリッドプログラムにはさまざまな形態がある。たとえば、スマートメーターを設置して情報を数分ごとに電力会社に送ったり、電力線にセンサを取り付けて停電発生個所を見つけたり、ルータを変電所に設置して情報を電力会社に送り返したりするといった具合だ。
ほとんどのケースで、スマートグリッドプログラムには大規模なITコンポーネントがつきものだ。その理由は、電力会社が、顧客から使用状況に関する情報をより多く収集し、配電網の運用の効率化を進めたいと考えていることによる。
2009年6月に、Microsoftは家庭の電力使用量削減支援を目的とした「Microsoft Hohm」というウェブアプリケーションを発表している。だが、このアプリケーションには電力会社をターゲットとするコンポーネントが含まれていた。Microsoftが検討しているビジネスモデルの1つは、顧客のエネルギー使用量のデータを集約し、ピーク時の電力使用量を減らす方法を模索している電力会社に対してその情報を提供するというものだ。
電力網の近代化を目的とした製品群をすでに開発または開発中の大手IT企業には、Cisco Systems、IBM、Oracle、SAPなどがあり、公益企業向け事業に注力を始めたMicrosoftはここに割って入ることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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