インテルの光ファイバ技術「Light Peak」--USBとの組み合わせで主流になるか - (page 3)

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年10月01日 07時30分

 光ファイバへの移行が今必要かどうかについては、「ニーズはある」というのが簡単な答えだ。ビデオ画面はますます大型化し、HDテレビの1920×1080ピクセルを超えて拡大している。また、3Dビデオには2倍のデータ転送速度が必要だ。Envisioneering GroupのRichard Doherty氏は、新しいDisplayPortビデオ規格でさえ、供給できるよりも多くの容量が新しい技術によって必要となるまで、24カ月から30カ月ほどしかかからないだろうと予測する。

 Doherty氏は、間もなく60Gbpsが必要になると言い、「光ファイバがそれを実現する唯一の方法かもしれない」と述べている。

USB-IFはLight Peakを規格化するか

 USB-IFがIntelと連携して、将来の光通信への移行に向けてLight Peakを採用する作業を行っているかどうかについて、Ravencraft氏はコメントしようとしなかったが、その連携が実現する可能性を示すものはいくつかある。

 1つには、USB 3.0の仕様では、同規格を「未来でも使えるように」しようとするための処置として、ケーブルコネクタが光ファイバケーブルに明示的に対応している。もう1つ、IntelはLight Peakを披露した際、プロトタイプにUSBコネクタを使用していた。Ziller氏はあるインタビューの中で、その選択から何も読み取るべきではないと述べていたが、それでもなお、このことには目を引かれた。

 NECのビジネス開発担当シニアディレクターであり、USB-IFの委員でもあるSteve Roux氏によると、USB-IFでLight Peakについての議論が進行中であるという。

 「われわれはUSB-IFを通じて、それに注目している。注意を払うべきものであることは間違いない」とRoux氏は述べ、「USB 3.0に対抗するものとはみなしていない」とつけ加えた。

 Light PeakにとってUSB-IFと連携することが賢明であるもう1つの理由として、規格化における駆け引きがある。USBの開発には、Intel、Hewlett-Packard、NEC、Texas Instruments、ST-Ericsson、Microsoftといった主要企業に加え、200以上の企業がかかわっている。USB-IFは、プレゼンテーションで丸々2ページに企業ロゴを詰め込んで、USBにどれだけ広範な企業が参加しているかを示している。Intelが大志を実現するには、ビデオコミュニティーに加えて、現在USBを使用しているこれらの企業からも、Light Peakに対する支持を勝ち取る必要があるだろう。

 規格を策定する団体はほかにもある。例えば電気電子学会(IEEE)は、USBのライバルであるFireWireや、無線ネットワーク向けの802.11、イーサネットネットワーク向けの802.16を監督している。

 Doherty氏は、どちらにも可能性があると考えている。USB-IFは消費者が使用するためのコネクタを迅速に定義することができるだろうし、IEEEは、光ケーブルでプロセッサ同士やコンピュータとストレージシステムとをつなぐサーバのようなハイエンドシステム向けのバージョンを開発することができるだろう。

 「これが100Gb USB 3F(Fはファイバの略)コネクタとして始まっても、IEEEへと渡って、同じコネクタを使用する10テラビットリンクになることを妨げる理由は何もない」(Doherty氏)

Intelは、Light PeakのデモにUSBポートを使った。 Intelは、Light PeakのデモにUSBポートを使った。
提供:Screenshot by Stephen Shankland/CNET

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