Intelは先週、ラスベガスで開催された、2009 Consumer Electronic Show(CES)において、実際に稼動している「USB 3.0」規格のデモンストレーションを公開した。ここで、USB 3.0が、どれほど「eSATA」および「FireWire」に勝っているのかを解説しておきたい。
USB 3.0が、2010年前半に市場に登場する時、現在広く普及している「USB 2.0」規格が投入された2000年4月からは、10年が経過していることだろう。現在のUSB 2.0仕様は、理論上の最大伝送速度が480Mbpsとなっており、給電能力を備えている。
USB Implementers Forum(USB-IF)によると、2006年中に出荷されたUSB 2.0デバイスの数は、(世界の全人口の約3人に1人と同じ数字の)20億台に上っており、インストールベースで見るならば、(世界の全人口とほぼ等しい数字の)60億台を記録している。USB-IFは2007年11月、最初にUSB 3.0の仕様を発表し、Intelは、2009 CESにおいて、公式なデモンストレーション公開を行っている。
さらに本質に迫ってみるとしよう。USB 3.0の理論上の最大伝送速度は5Gbpsとなっており、USB 2.0の仕様と比較して、約10倍の高速転送速度を備えている。また、USB 3.0は、アップロードおよびダウンロードの通信を同時に行える、(双方向の)フルデュプレックス仕様となっている。一方、USB 2.0は、ハーフデュプレックス仕様である。
eSATAやFireWire 800と比較してみると、USB 3.0は、はるかに優れた性能を備えている。eSATAでは、内蔵HDD向けの「SATA 1.0」バスと同じ転送速度を備えることが目指されているが、理論上の最大伝送速度は3Gbpsにとどまる。よって、USB 3.0は、eSATAよりも高速であり、フルデュプレックスで800MbpsとなるFireWire 800よりも、約6倍は高速である。
さらに、USB 3.0には、別のアドバンテージもある。eSATAは、FireWire 800よりも高速ではあるものの、FireWireが備える給電能力がない。USB 3.0は、eSATAおよびFireWireよりも高速であることに加え、給電能力も備えているアドバンテージがあるのだ。
最後に、USB 3.0では、省電力性能が向上しており、アイドル、サスペンド、スリープモードへのデバイスの移行が実現することになる。これにより、ノートPC、デジタルカメラや携帯電話を始めとするUSB対応デバイスのバッテリ寿命が、さらに伸びる可能性もあるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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