そこで光ファイバが登場する。
USB-IFのプレジデント兼会長であるJeff Ravencraft氏はインタビューの中で、現行のUSB 2.0と新しいUSB 3.0規格で使用されている銅線には、信号を伝達する速度に限界があるため、「業界はある時点で移行しなければならなくなるだろう。次は光ファイバへの移行になると思う」と述べている。
IntelはLight Peakによって、ビデオ、ストレージデバイス、ネットワーク、プリンタ、ウェブカメラなど、PCに接続されるあらゆるものに対する単一の接続手段を作り出そうとしている。Light Peakでは複数の通信プロトコルを同時に扱える回路が使用されており、Light Peakは汎用コネクタとして、現行のUSB、FireWire、DVI、DisplayPort、HDMIの互換性のないソケットに取って代わることが期待されている。これはホットプラグ技術だ。つまり、機器の電源が入っていて動作しているときに接続することができる。
Intelは試作品のチップを完成させており、この技術の出荷準備は2010年に整うと述べている。Light Peakは現段階で、光ファイバケーブルを通じてどちらの方向にも10Gbpsでデータを転送することができるが、Intelによればさらにずっと高速にできるという。Intelの光入出力プログラムオフィスのディレクターであるJason Ziller氏は、10年以内に100Gbpsに到達するだろうと述べている。
ソニーの支持を得ていることは重要だ。なぜなら、同社は、PC、音楽プレーヤー、カメラ、ビデオカメラ、Blu-rayプレーヤーを販売しているからだ。しかし、少なくともソニーと同程度に重要な企業であるAppleは、Intel Developer ForumではLight Peakに関して比較的目立った動きを見せなかった。
IntelはLight Peakの2つ目のデモで、「Mac OS X」で動くコンピュータを使用して、1本のケーブルでHDビデオとストレージシステムへのデータを同時に転送してみせた。Appleは強力な支持者になるだろう。同社は、端正な外観と使いやすさを重視した設計で大きな影響力を持っており、優れていると考える技術は進んで支持する。そして、同社の「iPhone」やiPodは記憶容量が増えるに従って、PCと同期させるのにますます時間がかかるようになっている。
しかし、今わざわざ光ファイバに移行する必要が本当にあるのだろうか。確かに、高速の電気通信には困難がある。例えばワイヤが電磁干渉を引き起こすことがあるので、USB 3.0の最大ケーブル長は、USB 2.0の5mに対し、3mしかない。それでも、銅線を使用したデータ転送技術は、コンピュータチップの小型化技術と同様、息切れするだろうという予測をくつがえしてきた。
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