Blu-ray Discのプレーヤーはリビングルーム向けの人気商品となりつつあるが、新たにiSuppliの発表した調査リポートによれば、オフィス環境で主流となるまでには、まだ多くの時間がかかりそうだ。
iSuppliは、2009年に出荷されるPCのうち、Blu-ray対応のプレーヤーが搭載されるPCの割合は3.6%に過ぎないとの見通しを発表した。また、Blu-ray Discドライブを搭載するPCの割合は、2013年には16.3%まで上がることになるとの予測も示されたが、この期間中は依然としてDVDが市場を支配することになる。
iSuppliのストレージおよびモバイルメモリ部門シニアアナリストであるMichael Yang氏は「少なくとも2013年までに、PCに搭載される主流の光学ドライブとして、Blu-rayがDVDに取って替わるようなことにはならないだろう。最終的にはBlu-rayが勝利を収めるようになると予想されるものの、今後5年間に限っては、PCセグメントにおけるBlu-rayの普及は限定的なものとなりそうだ」との声明を出した。
iSuppliは、PC市場でBlu-rayが伸び悩んでいる原因として、次の2点を主な要素としている。それは、いまだBlu-rayに対応した映画の本数が非常に少ないことと、Blu-ray DiscドライブをPCに搭載するコストが高いことである。iSuppliは、いったんドライブの搭載コストが下がれば、消費者はPCへのBlu-rayドライブ搭載に、もっと積極的になる可能性が高いと判明したことも明らかにしている。
Blu-ray Disc Association(BDA)にとっては、決して今回の調査結果は理想的なものではないが、iSuppliは、それほど驚くべき結果でもないとの見方を示した。同社によると、新たなメディアフォーマットは、ある適度なレベルにまでコスト削減が達成された時に、初めてPCで採用が大きく進むという傾向を見せてきたという。また、その成功は、どれほど消費者がテクノロジの提供価値が高いと感じるかにもかかっている。
iSuppliは、3.5インチのフロッピーディスクが15年という長きに渡って支持を得たことを例に挙げ、消費者が価値を十分に認識している限り、そのメディアの利用が続くことになると述べている。現在のところ、その同じ消費者によって、よりDVDドライブには価値があるとの判断が示されているようだ。
Yang氏は「Blu-rayで実現する高画質映像、よりクオリティの高い音質、ホームエンターテインメントでの大容量ストレージスペースといったメリットは揺るぎないものである。しかしながら、これらの利点は、小型のデスクトップPCやノートPCの画面でコンテンツを視聴したり、貧弱なスピーカーを用いたりしている場合に、ほとんど意味を成さないか、まったく無駄に終わってしまう可能性も高い」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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