ネットサービス連携で進化する家電・情報機器--ネットにつながる家電・情報機器【サービス編】

堀江大輔(D☆FUNK)2009年07月30日 20時53分

 家電や情報機器はネットにつながることによって、製品の幅が大きく広がった。その幅を持たせたのは家電・情報機器向けに開発された「新ネットサービス」だ。今回は、新ネットサービスの中でも伸長著しいテレビ向けのネットサービスについて紹介する。

テレビに新たなコンテンツを提供した「IPTV」とは?

 ネットインフラが整備されたことで、急速に浸透しているのが、「アクトビラ」のような「IPTV」サービスだ。しかし、IPTVはサービスを手がける業者と内容が多岐に渡っており、どんなサービスか分からないことも多いだろう。そこで、代表的なサービスを例にIPTVについて解説していく。

 IPTVの定義は色々あるが、“インターネットを使ってテレビやビデオを配信するもの”とすれば、現在パナソニックの薄型テレビ「VIERA」のテレビCMなどで紹介されている「アクトビラ」が代表的だろう。

 アクトビラは、対応のデジタルテレビに向けて、情報や動画などを配信するポータルサービスで、パナソニック、ソニー、シャープ、東芝、日立、日立コンシューマエレクトロニクス、ソネットエンタテインメントなど、テレビメーカーを中心に共同出資で運営している。これが現在最も多くのテレビに搭載されているIPTVサービスだ。

 ただ、アクトビラには、「アクトビラ ベーシック」「アクトビラ ビデオ」「アクトビラ ビデオ・フル」「アクトビラ ビデオ・ダウンロードレンタル」「アクトビラ ビデオ・ダウンロードセル」と5つのサービスがあり、内容は異なる。

 「アクトビラ ベーシック」は、ニュースや天気予報、番組情報などが、テキストや静止画で提供されるサービス。インターネットのポータルサイトと同じような情報を、テレビでも簡単に見られるというものだ。

 「アクトビラ ビデオ」は、文字やテキストに加えて、動画が表示できるビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスだ。TSUTAYAが提供する「TSUTAYA TV」や、NHKが提供する「NHKオンデマンド」などがサービスを手がけており、映画は見逃した番組などがストリーミングで視聴できる。ただし、映像はMPEG-2方式で画像の転送速度もDVD並みとなる。

 「アクトビラ ビデオ・フル」は、VODで配信されるストリーミング映像を、テレビの全画面で表示できるサービス。映像圧縮方式にBlu-ray Discなどで採用されているMPEG-4 H.264を採用しており、フルハイビジョン映像を見られる。

進化を遂げるアクトビラのビデオサービス

 アクトビラ ビデオとアクトビラ ビデオ・フルは、ストリーミングサービスのため、巻き戻しや早送りができず、少し使いにくい。またアクトビラ ビデオは実効速度が6Mbps程度、アクトビラ ビデオ・フルは実効速度12Mbps程度のブロードバンド接続環境が必要になる。

  • アクトビラでは2008年末より「アクトビラ ビデオ・ダウンロード」サービスもスタート

 ストリーミングでしか見られなかった動画を、ハードディスク(HDD)に保存できるようにしたのが「アクトビラ ビデオ・ダウンロード/レンタル」だ。ビデオ・フルのストリーミング配信では、転送レートは平均6Mbps。しかし、ダウンロードでは、最大20Mbpsにまで転送レートを上げられるので、ビデオ・フルよりも格段に高画質な映像を楽しめる。

 視聴時間が決められている「ダウンロードレンタル」に対して、Blu-ray Discなどのディスクに保存できるのが「アクトビラ ビデオ/ダウンロードセル」だ。何度も見たい映画はセルを選ぶと良いだろう。

 いずれのサービスでも、入会金は不要。ただ、有料コンテンツを見るには、コンテンツ毎に利用料金がかかる。1本あたりのコンテンツ利用料は105円〜。HD映画で420円〜、セルスルーで約3000円半ば。支払いはクレジットカードが基本となるが、So-net接続サービス会員は、プロバイダ経由での支払いにも対応している。

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