サービスの面から言えば、「Yahoo Mail」や「Flickr」「Yahoo Messenger」といった領域では、Yahooは明らかに、アクセルをゆるめようとはしないだろう。Yahooのモバイル戦略についても同様だ。この分野は、より成熟したPC向けのインターネット体験とは異なり、インターネットの中でもかなり手に入りやすい部分だ。
したがって、Yahooはテクノロジ事業から完全に撤退するのではない。同社にはこれからも、新しいホームページを、ソーシャルネットワークやリアルタイムコミュニケーション、そしてまだ考えられてもいないものなど、より広い世界につなぎとめておく手段が必要だ。それには、聡明で優れたエンジニアリングが要求される。
しかしコンテンツの面では、Yahooは、現在の品揃えを拡充する必要があるのか、あまり使われていない制作物を削るのか、あるいはこの領域でもアウトソース戦略をとるのかを判断しなければならないだろう。近年のYahooにはかなり多くの転向があったが、Yahooが前回、独自のコンテンツを制作するのに目立った役割を果たそうとして、それが結局うまくいかなかったことを覚えている人も多いだろう。
Yahooは世界最大のコンテンツアグリゲーションサイトとなろうとしているのだろうか。そうだとすれば、同社のさまざまなコンテンツでさらに多くのコストを削減できるのは明らかだ。「omg」を作るのにどれだけの人手が必要だろうか。「Yahoo Sports」にあれだけ多くの記者が必要だろうか。同社はわずかな人数だけを雇って、パートナーから提供されるコンテンツでサイトが常に満たされるようにすれば、トラフィックを犠牲にせずに船一隻分の人員を削減できるのではないだろうか。
29日、Yahooからは、検索分野からの退場を正式に決定したこと以外に、同社のより広範なビジョンについてのコメントは得られなかった。株主たちは、Microsoftがもともと共同創業者のJerry Yang氏に提案した1株あたり33ドルでの買収に匹敵するようなことは今後決してないだろうということを明らかに理解しており、検索についての契約が一段落した今となっては、長期的な計画を知りたいとすぐに切望するようになるだろう。
この契約により十分な売り上げが保証されるので、しばらくの間は静穏になるだろうが、同社が会社としての形をしっかりと整えるには、最低でも2年はかかるだろう。そのときに、Yahooはどのような姿をしているだろうか。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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