米国オバマ大統領が、YouTubeやFacebook、Twitterなど、インターネットを活用して大統領選を勝利したことは記憶に新しい。日本でも、YouTubeやニコニコ動画に各党の公式チャンネルが開設されており、ブログを開設している国会議員も増えている。そして現在注目されているのが、Twitterを使った情報発信だ。
現在、Twitterのアカウントを開設している国会議員は2名。1人は民主党 衆議院議員の逢坂誠二氏で、「seiji_ohsaka」というアカウントでテレビで見た国会の党首討論の内容を紹介しながら自分の意見を述べたり、自身が受けた取材の様子をリアルタイムで中継したりしている。
もう1人が自由民主党 衆議院議員の橋本岳氏。「ga9_h」というアカウントで日々の考えや出来事などをつづっている。
政治家から見て、Twitterはどのような可能性を秘めているのだろうか。6月30日に開催されたイベント「Twitterと政治を考えるワークショップ」では、橋本氏を囲んで議論がなされた。
橋本氏がTwitterのアカウントを作成したのは2009年6月。知人に勧められたのがきっかけだったという。「政治のために使っているわけではない。試行段階なので、ビジョンが明確にあるわけではない」(橋本氏)というが、Twitterならではの良さも感じていると話す。
「ブログはオフィシャルな自分が出やすいが、Twitterは『週刊プロレスを買った』といったようなことも書きやすい。ブログに比べて、ざっくばらんに書きやすいという印象だ」(橋本氏)。入力できる文字数が140字と短いこと、多くの人がどんどん書き込むのでタイムラインの流れが速いことから、気軽に書き込める点が魅力のようだ。実際、移動中に携帯電話から書き込むことが多いという。
Twitterのもう1つの魅力として、自分の意見や立場を直接発信できる点も挙げた。例えば、6月29日にはある雑誌の記者から、「鳩山新党参加者リスト」という文書に橋本氏の名前が挙がっていることを知らされ、「全く心外デス!!(怒)」とコメントを書き込んだ。
「身に覚えのない話だから、防衛したい。マスコミに報道される前に、『本当はこうなんだ』と言えるのはありがたい。そこは戦略的に使っている」(橋本氏)
Twitterに期待するのは、国会議員という存在が一般の人にとって、身近に感じられるようになることだ。
「多くの人は、国会議員は自分とは距離のある人だと感じている。新聞に掲載された発言くらいしか接触する機会もないので、信頼感もない。実際には新幹線も乗るし、週刊プロレスも買う。そういう姿を“ちら見”してもらって、人間がやっているということを感じてもらうのは悪いことではない。自分たちはみなさんの代理で国会にいるだけで、政治をもっと自分事だととらえて欲しい。そういった点で、Twitterは距離感をぐっと近くするのに良いツールだと思う」(橋本氏)
そのため、例えば「議員食堂のカツカレーが食べたい」というコメントに対して、「国会見学にお越しいただければ、どなたでも議員食堂のカツカレーを召し上がれます」と答えるなど、「自分じゃないと答えられないようなことには答えていきたい」(橋本氏)と話す。ただ、「『児童ポルノ法に反対したら応援団ができる』と言われたが、それは脅迫と感じる。政治家は自分に投票して欲しいし、生活がかかっているから。その状態で自分の信念を曲げろというような感じになると抵抗がある」(橋本氏)とも述べ、コメントや質問の内容によっては返答できない場合もあると話した。
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