実現は数年先のことになるが、電力会社はすでに、使用済みのプラグイン電気自動車の貯蔵装置(大半がリチウムイオンバッテリとなる見込み)に関する構想を持っている。例えば、Chevrolet Voltのバッテリ寿命は、10年間、15万マイル(約24万km)まで保証されるという。
しかし、グリッドエネルギー貯蔵装置業界の幹部の中には、顧客は自動車のバッテリの性能が低下してきたら、保証期間が切れる前に、より高性能の新しいものと交換するだろう、と考える人もいる。この古い方のバッテリをリサイクルして、例えば太陽光パネルを取り付けた家庭用のバックアップ電源とするか、あるいは相互に接続して電力会社用の大容量貯蔵装置として利用することも考えられる。
「バッテリを自動車から取り出して、家庭で据え付け型の電力貯蔵装置に転用し、その後何年も使用できる可能性がある。しかしバッテリを誰が所有するかという問題がある。PHEVを本格的に普及させるには、コンシューマーが自動車を購入しバッテリをリースするようにする必要がある」とEnergy Storage Associationの会長Brad Roberts氏は述べた。
バッテリのリースは、もともとBetter Placeが開発したビジネスモデルだ。Better Placeは自動車のバッテリを所有して自宅や公共の場所に充電ステーションを設置している会社だ。自動車ができるだけ長い時間コンセントに接続されているようにすれば、周波数調整のようなグリッドサービスの実現可能性が大いに高まる、と言う幹部もいる。
自分の電気自動車でグリッドサービスを提供するコンシューマーが割引を受けるのと同じように、古い電気自動車バッテリをリサイクルして貯蔵装置とするには、実現可能なビジネスモデルが必要だ。誰かがバッテリを回収して電力会社用に再パッケージ化する必要があるだろう、と電力会社American Electric Power(AEP)の分散エネルギーリソース担当マネージャーAli Nourai氏は述べた。
「自動車業界がバッテリの価格を下げることは分かっている」とNourai氏は語った。同氏は、そのような自動車バッテリが提供されるようになるまでには、およそ10年かかるだろうと予測している。「真新しいバッテリは必要ない」(Nourai氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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