「通常われわれは(実際に)やってみようとする。しかし、奇跡でもなければ、このような視覚効果は得られない。そこで、1日中お金のかかる撮影隊と一緒に、効果が得られるまで突っ立っている価値があるのかどうか考えなければならない。これを何度も試すことができるだろうか」(Snow氏)
その代わりに、車が空中に吹き飛ぶ実際の映像があれば、視覚効果チームがそのシークエンスのコンピュータグラフィックス(CG)版を制作するのに十分だ、とSnow氏は説明する。チームはまず実際のシーンを、事前に撮影した数枚の静止画像を基につくられた車のデジタルバージョンと組み合わせた。それから、CGバージョンを作成するため、ILMが独自に開発した剛体シミュレーションツールを使って、求めていたけん引トラックの上を回転する効果をシミュレーションした。
Snow氏は、後ろから撮影したけん引トラックのシーンに視覚効果を加え、車に何が起きているかを計算するヘッドアップディスプレイを備えたMototerminatorからの視点を表現したと述べる。
「ストーリーのポイントは、このMototerminatorが車に反応して、信じられないほど素早い回避行動を取って衝突を避けることができるという点だ。こうしたことを、できるだけうまく描こうと努力した」(Snow氏)
Snow氏は、昔も映画スタジオは似たような効果をつくろうと努力しただろうが、こうした効果をCGに頼ることはあまりなかっただろうと言う。
「昔であれば、現実の車で効果を得ようとして苦労しただろうと思う。今では視覚効果に頼ることができる。既にある素材を使って、再投影し、必要なことをすることができる。車をつぶしたり回転させたりするようなことを確実にできる剛体シミュレーションを使えるようになった。われわれは(数年前に)こうしたことを「ツイスター」や「スター・ウォーズ」でやっていたが、リアリズムの点から、現在可能なことと、数年前可能だったことを比較すると、現在の方がはるかにリアルになっている」(Snow氏)
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