ソニーが苦境にあるのは明らかである。しかし、同社は形勢を変えるために計画的な方策を採っている。
ソニーは現地時間5月15日、IBMの長年に渡る幹部であるGeorge Bailey氏をチーフ・トランスフォーメーション・オフィサーとして迎え入れることを発表した。Bailey氏は6月1日からトランスフォーメーションマネジメント室の長としてソニーの最高経営責任者(CEO)Howard Stringer氏直属になり、同社の2つの主要部門であるコンスーマープロダクツ&デバイスグループおよびネットワークプロダクツ&サービスグループを支援する予定である。
Bailey氏はIBMのエレクトロニクス産業コンサルティング部門のグローバルマネージングパートナーを5年間務めた。同氏のソニーにおける新しい肩書は大きなものであるが、同氏のキャリアでこれまで知られてきたことを正確に表現したものである。つまり、消費者家電メーカーのビジネスアプローチのやり方を調整することや、売り上げ獲得を支援することである。同氏はそれに関する著書もある。
ソニーのグローバルビジネスを変革あるいは促進させることのできる人物は、同社が切望している人材である。Stringer氏は数年に渡り、ソニーを生き返らせ、世界中に散らばった多くの異なる部門をよりしっかりと統合させるやり方を見つけ出す予定であると発言してきた。しかし、その結果は思わしくなかった。ソニーは14日、14年ぶりの年間赤字を報告し、その額は約10億ドルにのぼった。
Stringer氏は、日本の本社および米国のエレクトロニクス部門の幹部の一部を入れ替えた。またStringer氏はごく最近、Consumer Electronics Show(CES)における基調講演でソニーのマニフェストともいえるものを発表した。同氏はその中で、長期間価値があり、より一層ネットワーク化されたデバイスの開発に注力する必要があることや、オープン標準や環境にやさしい素材を採用する必要があることを述べた。
Bailey氏はより簡素なアプローチをとる。同氏の著書である「Irresistible! Markets, Models and Meta-Value in Consumer Electronics」で、同氏は成功するエレクトロニクス企業のポイントが、イノベーションを導くことと、包装から広告まで顧客が望むものを提供することを伴うと述べている。
これまでBailey氏はコンピュータおよび家電市場の両方に対するAppleのアプローチを賞賛してきた。また特に、Appleとソニーのやり方を比較した。Bailey氏がこれらの違いをソニーに指摘し、Appleの成功事例の一部を参考にするよう導こうとすることは想像に難くない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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