ソニーは、2009年3月期(2008年4月〜2009年3月)の連結業績を発表した。売上高は12.9%減の7兆7300億円となり、営業利益は2278億円、当期純利益は989億円の赤字となった。
要因としては、エレクトロニクス分野で、景気後退による事業環境の悪化や価格競争の激化により前年度比17%の減収となったほか、ゲーム分野において「プレイステーション2」(PS2)の売上数量がダウンしたこと、映画分野でDVDソフトのリリース本数が減少したことなどを挙げた。
売上高が17%減少し5兆4880億円、営業利益が1681億円の赤字となったエレクトロニクス分野では、ビデオカメラ「HANDYCAM」が大幅減となったほか、コンパクトデジタルカメラ「Cyber-shot」、PC「VAIO」などが減収となった。
液晶テレビ「BRAVIA」は、販売台数の増加により増収に結びついたものの、価格下落が響き増益とはならなかった。
「PLAYSTATION 3」(PS3)の販売台数増や製造コスト改善などで健闘したゲーム分野は、売上高が前年同期比18%減の1兆531億円、営業利益は前年1245億円の赤字から585億円の赤字へと損失を縮小した。PS2は、販売台数を同42%減の791万台へと落としたものの「中近東やアジアでは依然として人気がある」(代表執行役EVPCFOの大根田伸行氏)としている。
こうした状況を受け、2009年度の売り上げ数量見通しを発表。それによると、HANDYCAMが前年実績620万台から530万台、Cyber-shotが同2200万台から2000万台、BRAVIAが同1520万台から1500万台へとそれぞれ減少するとのこと。数量増のジャンルとしては、Blu-ray Discプレーヤー/レコーダー、VAIOなどが挙げられた。また、ゲーム機に関しては、「プレイステーション・ポータブル」(PSP)が同1411万台から1500万台、PS3が同1006万台から1300万台へ増加すると見ている。
「テレビについて台数は去年とほとんど変わらない、多少下がるくらいと考えている。やたら値段を下げて台数を上げるということはしない。大型化、4倍速などのハイフィーチャーな製品を今後も出していく」(大根田氏)とした。
またデジタルカメラに関しても「商品力がつけば台数はアップする可能性があると思っている。台数をやたらに増やして価格を提げるのはあまりやっていきたくない」(大根田氏)ともコメントしており、「単価を下げない」ことを強調した。
同日に発表された、2010年3月期(2009年4月〜2010年3月)の連結業績予想は、売上高が前期比6%減の7兆3000億円、営業利益はマイナス1100億円、当期純利益はマイナス1200億円と予測した。
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