しかし、Appleは過去2年間に、デザイナーや開発者、ユーザーの共感を呼ぶ、ユニークなモバイルコンピューティングのアイデアをいくつか開発してきた。すなわち、「iPhone OS」と「App Store」だ。ではようやく、この中間的なコンピュータにとってよいタイミングになったのだろうか。
BusinessWeekは、「iPad」(簡潔なのでSilicon Alley Insiderから借用した名称だ)は、Amazon Kindleくらいのサイズだが、本体表面のより広い部分をスクリーンが占めるようになると報じている。Amazon Kindleの長さは7.5インチ(約19cm)だが、スクリーンはわずか6インチだ。ちなみに、iPhoneは3.5インチディスプレイを備えており、最小のMacBookは13.3インチディスプレイを採用している。
7インチか8インチのスクリーンを備えた、キーボードのないデバイスを作ろうという過去の試み(UMPCやMIDなど)は、一般の人々の心をとらえることはなかった。MicrosoftとIntelは2006年に、Microsoft社内ではプロジェクト「Origami」としても知られるコンセプトに大きな望みをかけていた。サムスンは、おそらく最も評判のよいUMPCを作ったが、それほど良い結果にはならず、iPhoneが発売されると、このカテゴリへの関心は急速に失われていった。
UMPCの主な問題点は、魅力的なソフトウェアがなかったことだ。UMPCは「Windows XP」を実行するように設計されていたが、Windows XP自体が、そうした小さなスクリーンと、限られた入力方法しか持たないデバイスで稼働するような設計ではなかった。さらに発売時、「Windows Vista」は、モバイルデバイスへの適合性の点では、実際は一歩後退していた。
IntelはMIDをLinuxに移行させて、Windows Vistaのリソース問題を回避しようとしたが、Intelのパートナーはまだはずみがついていない。またいずれの試みも、サードパーティーの開発者を刺激して、モバイルプラットフォーム向けに特別に設計したアプリケーションを作り出させることができなかった。
しかしAppleのiPhone OSは、小さなスクリーンのモバイル環境のために設計されたものだ。iPhone OS 3.0をiPadにインストールすれば、Appleは、iPhoneやiPod touchのユーザーインターフェースを維持し、iPadをシンプルにできる。より複雑な(そして電力消費の激しい)OSは、このようなコンピュータには不要だ。
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