ウェブ上でノーカット版コンテンツを提供することについては、YouTubeはまだHuluに負けを認めるつもりはない。
カリフォルニア州サンブルーノに本社を置く、Google傘下の動画サイトYouTubeは米国時間4月16日、Sony Pictures、Lions Gate Entertainment、CBS(CNET Newsの運営元)などの著名なエンターテインメント企業数社との間で、サイトにアクセスするユーザーにノーカットのテレビ番組と長編映画を提供することについて合意に達したことを発表した。
このことが意味するのは、YouTubeがあらゆる映像を取り扱うワンストップショップになることを望んでいるということだ。
その戦略は明白であるように思える。YouTubeには、すでに毎月1億人を超えるユーザーからのアクセスがあり、それだけの数の人々が、アマチュアユーザーが作った短い動画クリップからセミプロレベルの作者が作った長めのクリップまでが入り交じったライブラリの動画を視聴している。
YouTubeがあらゆる種類の動画エンターテインメントを提供しようとすることを阻むものは何もない。ユーザーの見たいものがスケートボードに乗る犬の動画であれ、「チャーリーズ・エンジェル」の再放送であれ、Brooke Shieldsの無人島冒険映画「青い珊瑚礁」であれ、YouTubeにはすべてが揃っている。YouTubeが発表から数年経ったコンテンツばかりを入手していることを批判する批評家たちも一部にいるが、多くのテレビ番組がシンジケーションのおかげで数十年にわたり人気を維持していることは指摘しなければならない。人々は再放送を見るのが好きなのだ。
YouTubeのライバルで、この動きを最も心配しているのはHuluだろう。YouTubeのノーカット版コンテンツはまだHuluのものに比べて見劣りするが、そのHuluの映画のセレクションはよく言っても厚みがない。しかし最も重要なのは、YouTubeがハリウッドでの足掛かりを築いて、それによりノーカットのテレビ番組と映画を集めたライブラリを大幅に拡充するチャンスを得ようとしていることだ。
YouTube幹部は16日の電話会見で、これらのコンテンツ契約はあくまで「第一歩」に過ぎないと述べた。YouTubeが販売する広告の数とそれが生み出す売り上げの額で映画スタジオ会社に強い印象を与えることができれば、Huluにとって大きな脅威となるだろう。
今のところ、インターネット上のノーカット版コンテンツの提供ではHuluが圧倒的にリードしている。NBC UniversalとRupert Murdoch氏のNews Corp.が所有するHuluは、「30 Rock」「Dr.HOUSE」「24」「ザ・シンプソンズ」といったテレビ番組の初回放映をはるかに多く提供してきており、また「レスキュー・ミー NYの英雄たち」などのSony Picturesの番組までも提供してきた。
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