YouTubeと米国最大のレコード会社であるUniversal Music Groupが、音楽ビデオウェブサイトの開設について最終的な合意に達しつつあるという。両社間のこの交渉に詳しい情報筋が述べた。
同情報筋によると、「Vevo」という仮称のつけられた今回提案されているサービスは、YouTubeと緊密に連携したサイトとなる予定だという。合意に達した場合、Vevoはウェブ上で最大の音楽関連サイトとなる。交渉はまだ継続中だが、今後数週間のうちに契約が取り交わされる可能性があると情報筋は述べている。
YouTubeの広報担当者は、「われわれは、音楽とミュージシャンとファンをつなぐための創造的な方法を見出すために、常にパートナーと協力している」と述べた。
UniversalのYouTubeチャネルは、同ビデオサイトにおいて2位以下を大きく引き離して最大の規模を誇る。同レーベルの音楽ビデオは、35億回以上も視聴されている。VevoおよびYouTubeとのジョイントベンチャーは、Universalの会長兼最高経営責任者(CEO)であるDoug Morris氏による1年間に及ぶ活動から生まれたもので、音楽ビデオを単体のビジネスとして確立することを目的としている。CNET Newsは2008年9月、Universal Musicが「Hulu」のようなサイトを計画中であることを最初に報じた。
Morris氏とUniversalは、デジタル音楽ビデオ事業を立ち上げたいとかねてから考えていた。情報筋によると、Vevoこそがその答えだと同レーベルの幹部らは信じているという。
従来の音楽ビデオやインタビューに加え、アーティストを中心としたその他のコンテンツからなる音楽のみを対象としたサイトは、ハイエンドな広告主にアピールすることを目的に構築される。中にはこれまでYouTubeのユーザー作成のビデオの横に広告を出すことについて、ためらっていた広告主もいるだろう。
Universalは、多数のデジタル音楽サービスの所有権を買収してきた。今回の契約が成立すればUniversalは、同社の音楽ビデオから得られる収益に関する権限の一部を得るとともに、YouTubeの技術的専門知識も利用できることになる。
Universalの幹部らは2008年、同レーベルはYouTubeから「数千万ドル」の収入が得られると考えていると述べていた。
前出の情報筋によると、Sony Music Entertainment、Warner Music Group、EMIといったその他の大手レーベルに同サービスへの参加に関する話が持ちかけられているという。YouTubeとUniversalは、同サイトを、論説コンテンツ、販売促進、ウェビソード(Webisode)、アーティスト作成のビデオなど、音楽ビデオ以外のすべての種類のコンテンツを含むシンジケーションプラットフォームにするという展望を抱いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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