Huluの動画はきれいで鮮明だ。筆者の意見としては、ウェブ上にあるほかの何よりもテレビを見ているのに近い。しかしYouTubeは、Huluの優位点のいくつかを切り崩し始めた。
ウェブ上で最大の動画サイトであるYouTubeは、ノーカット版コンテンツの取得に加えて、まもなく「地球上で最大の高解像度ライブラリの1つ」を持つことになる、と同社の関係者は述べている。見過ごしてはならないのは、YouTubeは、広告主が最も重視するもの、つまり膨大な数の視聴者をすでに持っているという事実だ。
YouTubeが答えなければならない質問は、同社がハリウッドと親密な関係を結ぶにあたり、多くを与え過ぎていないかということだ。Sony Picturesとの契約では、Sony PicturesはYouTubeの1億人を超える視聴者へのアクセスを手に入れながらも、コンテンツに対する多くの支配権を保持することになっている。
契約の内容に詳しい業界情報筋によると、Sony Picturesはすべての広告提供を行い、独自の動画プレーヤーを使用し、すべてのトラフィックを得ることができるようになっているという。
4大音楽レーベルのうち最大のUniversal Music Groupとの契約では、YouTubeは独立サイト「Vevo」の構築と運用を支援することに同意した。このサイトでは、プロが作成したUniversalの音楽ビデオを提供するが、サイトはUniversalが所有する。この契約は、YouTubeがサテライトサイトの構築に同意した初めてのケースだ。
これらの関係企業はいずれも、こうしたサービスの提供から生み出される広告売り上げをどう分配し合うことになっているのか明らかにしていないが、YouTubeが大手メディア企業たちを満足させようと最大限の努力をしていることは明白だ。
インターネット動画サービスは、まだ大手の映画スタジオやテレビネットワークが、多額のコンテンツ料金を支払ってくれるケーブルテレビ、プレミアムチャンネル、放送パートナーを忘れられるほどの売り上げは生み出していない。それでも、ますます多くのテレビ視聴者が、ケーブルテレビ会社に別れを告げてオンラインエンターテインメントを求めてウェブに向かいつつある。
推測できるのは、おそらくYouTubeの今の動きは、YouTubeが映画スタジオの売り上げに貢献できることを証明し、やがてハリウッドがウェブからの売り上げに依存するようにし、そのうえで将来はより有利な条件で交渉できるようにするためではないだろうか、ということだけだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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