ITプロフェッショナルを対象にした、新たな調査によれば、今後1年以内に「Windows 7」へのアップグレードを計画していないとの回答が84%に上り、約半数の回答者は、他の選択肢の検討を進めていることが明らかになった。とはいえ、この調査結果に関しては、ややそのニュアンスを、注意深く分析しておいたほうがよいだろう。
今回の調査は、システム管理機器を提供するKACEの委託を受けて、Dimension Researchが実施したものである。調査対象となった1142人の回答者の中で、社内のOSには、WindowsがインストールされているというITプロフェッショナルが、99%に上っている。
この調査結果で問題となっているのは、やや残念なこととして、大半のITプロフェッショナルが、今後1年以内にWindows 7へのアップグレードを実施する予定がないという点である。
だが、Windows 7は、まだベータ版であり、正式にリリースされていない状況である。当然ながら、84%のITプロフェッショナルは、今後12カ月以内という期間で、Windows 7へのアップグレードを行うことはないだろう。4月に調査が行われ、2010年4月という時期が考慮に入れられているのであれば、もしWindows 7のリリースが2009年10月頃であった場合、Windows 7へのアップグレードにかける時間は、(2010年4月までは)わずか6カ月しかないことになる。OSのアップグレードという観点からすれば、この(6カ月という)時間的なスピードで、アップグレードが進むとは考え難い。
つまり、別の観点から、今回の調査結果を眺めるならば、以下の数字は非常に興味深い。
今後2年以内にWindows 7へのアップグレードを計画していると回答したITプロフェッショナルは、59%に上っている点である。これが良いニュースであるのは、若干の繰り延べ需要があるということである。一方、悪いニュースとしては、「Windows Vista」が、その原因になっているということである。
しかしながら、筆者の心を本当に奪ったのは、Windowsに代わる他の選択肢についての調査結果である。
その調査結果は、「50%のITプロフェッショナルは、Windowsからの移行を検討中である」との見出しで伝えられた。ここで問題となるのは、「検討中である」という言葉だ。移行を検討することもない人など、愚か者であろう。実のところ、筆者は、(移行を検討してもいない)ITプロフェッショナルが、他に半数も存在するのであれば、それは十分に果たすべき仕事をしていないのではないかとも思う。代わりの選択肢は、常に評価されねばならない。
すでにWindowsからの移行を検討しているとの回答者が半数を占めているが、そのうち、積極的に移行を進めているITプロフェッショナルは、14%に達している。この数字は、2007年の調査時の9%、2008年の調査時の11%から上昇している。これが意味するものに関しては、次のような判断を下せるだろう。
おそらく真実は、その両方の中間点に位置していると思われる。
今回の調査結果から読み解かれる、もう1つの興味深い点としては、AppleのOS Xこそ、VistaまたはWindows 7に代わるプラットフォームとして、最も可能性が高いようだ。Macのプラットフォームを、移行の選択肢に検討しているITプロフェッショナルは、27%に上っている。ただし、マイナスの要素としては、この割合は、2008年の29%からは下落している。
きっと注目すべきなのは、Vista、Windows 7、OS Xが、いずれも低下しているのに対し、Ubuntuは上昇しているという点であろう。
いずれにせよ、今回の調査結果に出てきた数字には、多くの興味深い側面がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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