マルチタッチ機能をめぐり、このインターフェースが次にはどんなデバイスに導入されるかという点に関心が集まるなかで、Microsoftは、ジェスチャー機能そのものの改善にも目を向けている。
同社は、ボストンで開催されているコンピュータインターフェースに関するカンファレンス「CHI 2009」(米国時間4月4-9日開催)において、27種の異なるコマンドを実行するためのアイデアを披露している。これらのアイデアは、被験者に一連のコマンドを示し、それぞれに対して最も理にかなったジェスチャーを行うよう求めることで得られたものだ。複数の人々に共通してみられた動作を、研究者たちは最も理にかなっているとした。
Microsoftの研究者Meredith Morris氏は、先週のインタビューの中で、「世界共通となることを考えれば、ごく自然なジェスチャーにしたいと思う」と述べた。
こういった研究の背景には、ジェスチャー機能の利用が広がり始めている状況がある。マルチタッチ式ジェスチャーの制御機能は、すでに「iPhone」やMicrosoftの「Surface」に組み込まれており、ノートPCのトラックパッドでもサポートしているものもある。「Windows 7」では、マルチタッチ式ジェスチャー機能をOSレベルでサポートする。
ジェスチャー機能は直感的な使いやすさが広く評価されているとはいえ、Microsoftによる研究では、マルチタッチ式デバイスで使われるジェスチャーで、理にかなっていると見なせるものはごく一部しかないことが明らかになっていると、Morris氏は指摘する。同氏によれば、たいていは実際問題としてさほど直感的ではなく、これはとくに指を何本か使う動作の場合に顕著なのだという。
これは、人々に使う指の本数とジェスチャーとを関連づけようとする姿勢がないためだ。
「人は、本数に意味を与えない」とMorris氏は述べ、Microsoftによる研究では、人々は同じ意味のジェスチャーをするのに、ときによって指が1本だったり、2本だったり、3本だったりする傾向があったと指摘して、「この点に注意しなければならない」と結んだ。
Morris氏によれば、ユーザーが好んでした行動は、手を宙に浮かせてジェスチャーをすることだったという。現在SurfaceやiPhoneといったデバイスではサポートしていないものの、他の研究プロトタイプでは、空中でのジェスチャーによる入力に重点的に取り組んでいる。
「これは、次世代システムの設計をどうすべきかを物語るものだ。カメラを追加すれば、対応が可能になる部分もあるかもしれない」とMorris氏は語った。
同氏によれば、研究では1つのコマンドを引き出すのに複数の方法が示唆された場合もあるという。たとえば、「help」コマンドを起動する場合にもっとも一般的だったのは、表面に指でクエスチョンマークを描くというものだった。一方、ある参加者は、手助けを頼むときのように、手を自身のほうに振る方法もあることを示した。
数人から同じ動作が示された場合は、Morris氏のチームは、同一のコマンドに対して複数のジェスチャーを組み込むように努めたと同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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