Microsoftは不況でも重要分野への投資は怠らない。同社は米国時間1月12日、資金繰りに苦しむ企業のコスト削減を目的とした新たな広告キャンペーンと、マルチタッチ技術に特化した新興企業への出資を発表した。
まず後者については、Microsoftはイスラエルのクファルサバに拠点を置くN-trigへの総額2400万ドルの出資に参加した。N-trigは、ペンやタッチ入力を感知する技術を販売する新興企業だ。Microsoftの出資比率は明らかにされていない。
現在N-trigの技術は、DellやHewlett-Packard(HP)製のマルチタッチコンピュータに使用されている。MicrosoftもWindows 7にジェスチャーサポートを直接組み込むことにより、マルチタッチ技術に対応したPCの市場を拡大したいと考えている。
MicrosoftでGroup Program Managerを務めるIan LeGrow氏は、N-trigのプレス声明の中で、「Windows 7にマルチタッチ機能を導入し、N-trigのDuoSense技術と統合することにより、われわれの顧客は、新しい自然な方法でPCと情報のやり取りを行えるようになる」とし、さらに「N-trigは、人々が自然な方法で書いたり、触れる方法をシミュレートすることにより、PCの操作を容易化するとともに、新たなWindowsエクスペリエンスを可能にしている」と付け加えた。
また新しい広告キャンペーンについては、Microsoftは11日の米プロフットボールリーグ(NFL)のプレーオフの放送中に新しい広告を流し始めた。「Because it's everybody's business」がテーマのこの広告キャンペーンは、Microsoftが長年行っている「people-ready」キャンペーンの一環だ。これらの広告では、QuicksilverやCoca-Colaといった同社の顧客企業を取り上げ、好調の波に乗るためにそれらの企業がいかにMicrosoft製品を活用しているかを各企業の幹部が解説する。QuicksilverのCMはまさにその通りの作りになっている。
MicrosoftのゼネラルマネジャーGayle Troberman氏は、同社のプレス向けサイトに掲載されているQ&Aの中で、今は、Microsoftが企業に何を提供できるかを語るのに最適な時期だと述べている。
「ソフトウェアは(企業に)競争上の最も大きな優位性の1つをもたらすとわれわれは考えている。多くの企業が業務の継続にすら苦労している今、これは特に重要なことである」と述べ、さらに次のように続けた。「長期的視点を維持しているビジネスリーダーたちは、たとえ今は現在の厳しい経済状況に適応するために短期的な対策を講じているとしても、いずれ現在の不況を乗り切り、(業界内で)以前よりも高い地位に付く機会を得ると、Microsoftは考えている」
たしかにMicrosoftは宣伝費をかけているが、当初の予定ほどではないかもしれない、とTroberman氏は語る。
Troberman氏は、「広告キャンペーンの実施について、われわれはこれまで、全ての宣伝費およびマーケティング費用を厳しく見直してきた。その結果、一部の分野で計画を変更している」と述べたが、一方で「われわれは、宣伝を行うことにより非常に多くのものを得ていると考えている。よって、今、費やしている宣伝費がさらに多くの価値をわれわれにもたらしてくれることを願っている」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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