オンラインで提供される音楽サービスに対する風当たりが、西ヨーロッパで厳しくなり始めているようにも見えるが、Google傘下のビデオ共有サイトYouTubeは、ドイツで音楽ビデオのアクセスを遮断する措置を講じた。
あるYouTubeの広報担当者は、(アーティストとレーベルに代わって)ライセンス料を徴収する、ドイツ国内で最大の音楽著作権管理団体GEMAとの交渉が決裂したことを受けて、(ドイツにおいて)もはやYouTubeでは、メジャーレーベルの音楽ビデオが再生できなくなっていることを明らかにした。
この問題は、同じく英国でライセンス料を徴収するPRS for Music(PRS)との交渉決裂に似ているものの、ある重大な相違点もある。YouTubeによれば、GEMAが要求しているライセンス料は、YouTubeが高すぎると議論した、PRSの要求するライセンス料を、50倍も上回るものになっているという。
今回の交渉について詳しい複数の情報筋によると、GEMAは、当初の合意時点で要求されていたライセンス料を、はるかに上回る金額を要求するようになっているという。GEMAの関係者からは、この件に関して、コメントが得られなかった。しかしながら、しばしば音楽業界は、新たなオンライン上の音楽サービスに対して、当初のライセンス契約時には、金銭面で好条件の契約を結んできた点に留意しておかねばならない。
複数の音楽業界幹部がここ最近、筆者に語った話では、売り上げが伸び始め、その確保が可能と見るや、もっと多くの支払いを求められるようになってくると考えたほうがよいようだ。
現在も交渉は進行中であるものの、交渉まとまるまでドイツ国内のYouTubeユーザーが、再び自由に音楽クリップを視聴できるようになる可能性は低いだろう。
とはいえ、少なくとも英国内では、YouTubeがレーベルに対して、同サイトによって、音楽販売が促進されていると主張することもできそうだ。最近、BBCが報じたところでは、1500人以上の英国人に対して、あるビデオ視聴をめぐる調査が実施された。
同調査への回答を行った成人男女のうち、約半数は、YouTubeで音楽ビデオを視聴した後、そのアーティストの楽曲を購入したと答えている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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