今度は無料翻訳辞書--キングソフト、中国グーグルと共同開発のソフトを提供

田中好伸(編集部)2009年03月26日 17時29分

 他社よりも劇的と言っていいほど安価な(ゼロ円の製品もある)セキュリティソフトオフィスソフトを提供しているキングソフトが、今度は無償の辞書翻訳ソフト「キングソフト辞書」の提供を3月26日に開始した。同社ウェブサイトからダウンロードできる

 キングソフト辞書は、同社の中国本社である金山軟件が1997年から開発する辞書ソフト「金山詞覇」が源流。金山詞覇は、中国国内で初の音声再生機能を搭載した辞書ソフトとしてリリースされ、現在では中国国内で92.8%ものユーザーシェアを獲得しているという。

 その金山詞覇は、Google中国法人との共同開発でGoogleのオンライン翻訳機能が搭載された「谷歌金山詞覇(Google-Kingsoft Ciba)」に進化している。2008年5月にリリースされたGoogle-Kingsoft Cibaは、無料で辞書機能やオンライン翻訳機能を利用できるということが評価され、現在では、月間アクティブユーザー数650万人以上を獲得しているという。

 今回のキングソフト辞書は、このGoogle-Kingsoft Cibaの日本語版だ。なお、キングソフト辞書の開発にGoogleの日本法人は関係していないとキングソフトは説明している。

 英和と和英、そして国語の辞典を搭載するキングソフト辞書には、オンラインとオフラインの二つの辞書が組み込まれている。ネットにつながっている時にはオンライン辞書から、つながっていない時にはオフライン辞書から言葉を探すという仕組みだ。

 オンライン辞書としては、三省堂が提供する「デイリーコンサイス国語辞典」(収録語数7万2000語)、「デイリーコンサイス英和辞典」(同8万3000語)、「デイリーコンサイス和英辞典」(同7万7000語)を利用できる。オフライン辞書には、旺文社が提供する「ポケットコンプリヘンシブ英和辞典」(同13万語)、「ポケットコンプリヘンシブ和英辞典」(同5万語)、「国語辞書」(同8万2000語)、そしてフリーの和英辞典「EDICT」(同12万語)が活用されている。辞書には、あいまいな言葉から該当する言葉を自動的に表示する候補表示機能が組み込まれている。

スクリーンショット 「キングソフト辞書」には例文検索の機能もある

 キングソフト辞書では、知りたい英単語の上にマウスを置くとその意味が分かる「マウスオン辞書」機能と英語の文章を選択して翻訳させる「ハイライト翻訳」機能を使うことができる。このハイライト翻訳としてGoogleのオンライン翻訳が活用されているのである。翻訳したいウェブページのURLを入力することで、ウェブページ全体を翻訳することも可能だ。Googleのオンライン翻訳は、英和・和英のほかに中日・日中の翻訳に対応している。

 辞書翻訳ソフトのキングソフト辞書は、言葉を学ぶ機能も搭載されている。辞書で調べた単語をワンクリックで登録できる「単語帳」機能では、作成した単語帳から自動的にテスト問題が作られ、単語の意味を復習できるようになっている。また、同ソフトには、TOEFLなどの試験対策単語集を常にデスクトップ上に表示する「ラーニングバー」機能も搭載。ラーニングバーで暗記力を高めることができるとしている。

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