世界的な経済危機が携帯電話機業界にも影を落としはじめ、売り上げを伸ばしてきたスマートフォンでさえ2009年は伸びが鈍化すると見られている。
市場調査会社の大手2社が今週、2008年第4四半期の統計を発表し、携帯電話機業界にとって厳しい予測を示した。
IDCは、携帯電話機全体の世界出荷台数は2009年に8.3%減となり、Appleの「iPhone」やResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」など、拡大を続けてきたスマートフォンの成長は、3.4%程度に鈍化すると見ている。スマートフォンは、2008年を通じて携帯電話機メーカーにとって売れ筋製品だった。IDCは、2008年12月時点では2009年の成長率を約8.7%と予測していた。
しかし、この予測は変更された。IDCでシニアアナリストを務めるRyan Reith氏は声明で、経済危機が主因となって携帯電話機市場全体が予測を下回って推移しているもようだと述べている。同氏はまた、2009年はスマートフォンを含むすべての分野に影響が及ぶと見ている。
市場調査会社Gartnerが発表した2008年市場シェア調査の数字も、同様に厳しいものだった。同社は、2008年第4四半期のスマートフォン世界売り上げは、前年同期と比べてわずか約3.7%増だったと述べた。同社はまた、この成長率は前四半期から減速したと指摘している。2008年第3四半期のスマートフォンの売り上げは、前年同期比約12%増で、第2四半期は約16%増だった。同社は、成長の鈍化は経済状況の悪化によるものだとしている。
しかし、市場調査会社は、依然としてスマートフォンを携帯機器メーカーにとって最も大きな可能性を持つ分野だと見ている。IDCはその報告書で、インターネットにアクセスでき、多様なアプリケーションが実行できるスマートフォンの需要は根強いとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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